箱根駅伝2021振り返り～帝京大～

こんにちは。箱根駅伝に出場したチームの戦略と結果について1校ずつ振り返るシリーズ。あの興奮をもう一度！

今回は帝京大の箱根駅伝について振り返ります。

往路：4位

復路：11位

総合：8位

小野寺、星、遠藤と充実の三本柱を構え、全日本でもしっかりシード権を獲得した帝京大。今季も分厚い戦力でトップ3入りを目指しました。

〇戦略

三本柱は前回と全く同じ並びで1区から3区に並べました。4区は主力の一人の中村、5区は山上りを熱望してきたという細谷。往路優勝も狙える実力派の5人を揃えられました。

復路もエース格の鳥飼を8区に再投入して攻めどころに。それ以外の4選手はいずれも初登場ながら、帝京大の選手なら間違いなく強いのだろう。そう思わせるような安心と信頼のブランドがあります。

トータルの戦略としては、主力をふんだんに投入した往路はどれだけ上位で勝負できるか。ここで上位につけられれば復路はどんどん順位が上がっていくというものでした。

〇結果

小野寺、星を投入した2区までで14位と予想外に出遅れる形となりました。1区小野寺はスローペースに苦しみ、2区星は後ろから追い上げてきた田澤（駒澤大）のハイペースに巻き込まれる不運もありました。

盤石の2人が伸び悩んだことでスタートダッシュに失敗しましたが、3区遠藤が8人抜きで全て取り返してくれました。

さらに細谷が鬼門の5区を完璧に攻略。区間賞の快挙で4つ順位を上げ、往路は首位創価大と2分31秒差の4位につけます。

念願の総合優勝も射程に入った中で迎えた得意の復路。

しかし、6区三原がレース中に脚を疲労骨折するアクシデントに見舞われます。なんとか襷は繋いだものの、9位まで順位を落とし、優勝争いから一転、シード争いに巻き込まれることに。

出入りの激しい戦いの中で7区寺嶌、8区鳥飼が堅実に順位をキープすると、9区橋本が区間3位の快走で6位まで順位を上げ、一気にシード安全圏に突入します。

最後は10区山根が2つ順位を落としたものの、アクシデントもあった難しいレースを総合8位と4年連続のシード獲得で終えることができました。

〇感想

8位という結果以上に、帝京大が強くなっていることを感じさせるレースでした。

信頼できる4年生が1区2区で出遅れるというまさかの序盤戦、山下りのアクシデント、シードを落としても何らおかしくないバッドイベントが複数起きています。

それでもシードを確保したのは本当に力がある証拠です。

特に8人抜きを見せた3区遠藤、区間賞を獲得した5区細谷、シード争いから安全圏へと入れてくれた9区橋本。個で打開できる選手がこれだけ出てくるようになりました。

元々組織力の高いチームに個で打開できる選手の登場。帝京大の未来は明るいです。

〇今後に向けて

星、小野寺、鳥飼、山根とロードで頼りになる世代が卒業を迎えます。戦力ダウンは避けられませんが、遠藤、細谷、橋本など核になる選手は残ります。あとは今回出走できなかった下級生がどれだけメンバー争いに加わってこれるか。

下からの突き上げでチームが活性化したとき、総合優勝への道がはっきり見えてくるでしょう。

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