箱根駅伝2021振り返り～國學院大～

こんにちは。箱根駅伝に出場したチームの戦略と結果について1校ずつ振り返るシリーズ。あの興奮をもう一度！

今回は國學院大の箱根駅伝について振り返ります。

往路：9位

復路：6位

総合：9位

前回総合3位の大躍進を支えた土方浦野世代が卒業し、作り直しのシーズンとなった國學院大。藤木、中西大のダブルエースは強力なものの、全日本ではあと一歩のところでシードを逃す悔しい思いもしており、箱根ではリベンジのシード獲得に向けて戦いに臨みました。

〇戦略

本来は1区臼井、2区藤木、3区木付、4区中西大、9区河東でバランスよく戦う構想だったそうですが、藤木の故障と木付の貧血により区間配置をイチから組み直すことに。

藤木は慣れ親しんだ1区に、木付は負担の少ない10区に回し、空いた2区にはセカンドエースの中西大、3区に臼井、4区に河東という布陣に組み替え、結果的にはダブルエースを1区から並べる先行型オーダーになりました。

また、5区にロードでの安定感が抜群の殿地、6区に前回も好走した島崎を配置した山に密かに自信を持っていました。

復路は7区から9区は箱根初登場の選手が並びましたが、全員好調で起用できた選手。

序盤と山で貯金を作り、復路は好調の選手たちで勢いをキープする。そんな戦略でシード権獲得を目指しました。

〇結果

1区藤木が終盤伸びずに12位、2区中西大が突っ込んだ影響で後半に失速して15位と、ダブルエースを投入した序盤で出遅れるという最悪の展開でスタートしました。

しかし、3区臼井が前との差が大きい単独走という、走りづらい展開の中で3人抜きと見事に流れを立て直すと、5区殿地も3人抜き。

往路は9位と何とか及第点の位置でまとめることができました。

復路は6区島崎が区間4位の快走で勢いづけると、7区徳備、8区伊地知も区間一桁で繋ぎます。

それでも後ろからは早稲田大、帝京大、明治大と強豪校が次々と襲い掛かってきて、9区途中で遂にシード圏外の11位に転落します。

それでも、9区高嶌は再び明治大を突き放してシード圏内を維持すると、10区木付はさらに上位を目指して積極的に飛ばします。

6位争いに加わったところで力尽きましたが、激しいシード争いを見事に勝ち抜き、総合9位でのフィニッシュとなりました。

〇感想

今季はシード権を確保できれば御の字、と思っていた國學院大ですが、もっともっと高いレベルのチームへと成長していました。

故障や不調で当初予定していたオーダーが組めず、さらに頼みのダブルエースが不発という危機的な状況の中でも、しっかり追い上げてシード権を獲得したのは見事というほかありません。

たまたま土方浦野世代という強い世代がいたから昨季躍進できた、というわけではなさそうです。

國學院大はもう立派に強豪校の一つです。

これからもずっと上位で戦い続けることを予感させるような、手応えのある箱根駅伝でした。

〇今後に向けて

今回走った選手からは3区臼井、4区河東、7区徳備、9区高嶌の4選手が卒業します。エースとなるような選手はいない学年でしたが、最後の箱根でゲームチェンジャーとなった臼井、難関の4区を切り抜けた河東、最初で最後の箱根で粘り強い戦いを見せた徳備、高嶌と堅実にチームを支えてくれた世代でした。

彼らなくして今回のシード獲得はあり得ませんでした。

そんな屋台骨となる世代は卒業してしまいますが、藤木、中西大、木付、殿地、島崎と経験豊富で頼りになる主力がまだ残ります。

そして、今季はスカウトに大成功しており、5000ｍ13分48秒の好タイムを持つ山本歩夢（自由が丘）やロードで抜群の強さを誇る佐藤快成（埼玉栄）など強力な選手が多数加入します。

主力と新戦力が上手く噛み合えば再び三大駅伝で優勝争いに加わってくるでしょう。そんな期待感を持たせてくれるチームです。

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