こんにちは。
2026年の大学駅伝シーズンも、気づけば夏を迎えました。
箱根駅伝が終わってから約半年。
この時期は駅伝そのものこそ少ないですが、関東インカレ、日本選手権、ホクレン・ディスタンスチャレンジなどを通して、秋の駅伝シーズンへ向けた各大学の「現在地」が少しずつ見えてきます。
もちろん、トラックで速いから駅伝でも強い、とは限りません。
20km前後を走る箱根駅伝ではロードへの適性も必要ですし、夏合宿や秋以降の成長によって勢力図が大きく変わることもあります。
それでも2026年前半戦を見ていると、「昨年までとはちょっと違うぞ」と感じる大学がいくつかありました。
今回はその中から、個人的に特に気になった3校を取り上げてみます。
①早稲田大学 エリートたちが、すくすく育っている
まず外せないのが早稲田大学です。
もともと高校時代から大きな実績を残してきた選手が次々と集まっていましたが、2026年前半戦を見る限り、その才能が大学でもかなり順調に伸びています。
本田桜二郎が日本選手権1500mで準優勝
まず驚かされたのが、ルーキー本田桜二郎です。
日本選手権1500mでは、社会人を含めた日本トップクラスの選手たちを相手に準優勝。
大学1年生ながら、日本一を争う舞台で既に勝負できるところまで来ています。
1500mの結果がそのまま箱根駅伝につながるわけではありません。
それでも、このスピードは出雲駅伝など短い区間が中心となる大会では特に大きな武器になりそうです。
鈴木、増子、山口も次々と好記録
5000mでも勢いがあります。
鈴木琉胤、増子陽太は5000mで13分20秒台を記録。
高校時代から世代トップクラスだった2人が、大学でも遺憾なくその力を見せています。
さらに山口竣平は、7月のホクレン千歳5000mで13分17秒19。
10000mでもすでに27分台を持っており、大学長距離界でも屈指のスピードランナーになってきました。
佐々木哲の復活
そして個人的にかなり大きいと思っているのが、佐々木哲の復活です。
高校時代から大きな期待を集めながら、大学1年目は故障などもあり、駅伝シーズンでは思うような結果を残せませんでした。
しかし今年の関東インカレ3000m障害では、8分24秒96の大会新記録で優勝。
本来持っていた力を、ようやく大学の舞台でも発揮し始めています。
「上位を狙う早稲田」から「優勝を狙う早稲田」へ
山口、鈴木、佐々木。
そこに増子、本田といった強力な新戦力が加わりました。
高校時代から名前を知られていたエリートたちが、大学に入ってそのまま順調に強くなっている。
これが現在の早稲田の一番怖いところではないでしょうか。
もちろん、5000mや1500mで速いことと、20km前後の駅伝で強いことは別です。
だからこそ秋に注目したいのは、「この圧倒的なスピードを駅伝でどう使うのか」。
特に出雲駅伝は、現在の早稲田のスピードが最も生きそうな舞台です。
2026年の早稲田は、「上位を狙うチーム」ではなく、いよいよ優勝候補の一角として見なければならないチームになってきたように感じます。
②中央大学 さらに加速する「高速駅伝」
続いて中央大学です。
ここ数年の中央大を語るうえで欠かせないのが「スピード」。
2026年前半戦を見る限り、その高速化はさらに進んでいます。
岡田開成が学生トップクラスへ
まず中心になるのが岡田開成です。
5000mでは13分19秒44を記録し、中央大学記録を更新。
さらに関東インカレ5000mでも優勝しました。
箱根駅伝ではすでに主要区間で結果を残していますが、トラックでも完全に学生トップクラスの存在になりました。
三宅が10000m27分台へ
そして三宅悠斗も大きく伸びています。
1年時から全日本大学駅伝などで存在感を見せていましたが、7月のホクレン網走10000mでは27分44秒45。
一気に27分台へ突入しました。
昨年までも「次期主力候補」という位置づけでしたが、今年は明確にエース級の選手へ近づいています。
濵口にも復活の兆し
もう一人、注目したいのが濵口大和です。
高校時代には5000m13分31秒台を持つ世代トップクラスの選手でしたが、大学ではここまで必ずしも順風満帆ではありませんでした。
しかし今年は5000mで13分26秒23。
ようやく本来持っていたスピードが戻りつつあります。
濵口が完全復活すれば、中央大の選手層はさらに厚くなります。
ルーキー栗村、簡も好調
今年の新入生にも面白い選手がいます。
栗村凌は5000mで13分20秒台を記録し、U20アジア選手権でも結果を残しています。
簡子傑も1500mで台湾記録を更新するなど、入学直後から存在感を見せています。
中央大の場合、上級生だけでなく下級生からも次々とスピードランナーが出てくるのが強みです。
10000m上位10人平均27分台が再び見えてきた?
現在の中央大には、10000m27分台を持つ選手が複数います。
現時点では上位10人平均はまだ28分台ですが、あと数人が自己ベストを更新すれば、「上位10人平均27分台」も見えてくる位置にいます。
もはや「速いエースが何人かいる中央大」ではありません。
チーム全体そのものが高速化しています。
足りないのはスピードではない
ただし、中央大については一つ重要なポイントがあります。
これだけのスピードを持ちながら、前回の箱根駅伝は総合5位。
往路では上位区間を連発しながらも、優勝には届きませんでした。
つまり、中央大にこれ以上必要なのは「さらに速くなること」だけではないのかもしれません。
山を含めた10区間をどう揃えるのか。
誰かが想定どおり走れなかったときにも、優勝争いを続けられるチームになれるのか。
タイムだけを見れば、今年も間違いなく優勝候補です。
今年こそ。
中央大にとって、その言葉がこれまで以上に重いシーズンになりそうです。
③東海大学 「スピードの東海」復活へ
そして3校目。
個人的に一番「昨年までと見え方が変わった」と感じているのが東海大学です。
2026年度から西出仁明監督が就任し、新体制がスタート。
チームは再び、強かった頃の東海大学を取り戻そうとしています。
中野純平が一気にエース候補へ
最大のブレイクと言っていいのが中野純平です。
関東インカレでは10000mとハーフマラソンの2種目で表彰台。
さらに全日本大学駅伝関東地区選考会では3組1位に入りました。
昨年まで「東海のエース」と聞いて中野の名前を最初に挙げる人は多くなかったと思います。
それがわずか半年ほどで、エース区間を任せたくなる選手にまで成長してきました。
南坂が通年で走れているのも大きい
南坂柚汰の存在も忘れてはいけません。
これまでは故障などでシーズンを通して状態を維持できないこともありましたが、今年は関東インカレや全日本予選でもしっかり結果を残しています。
高校時代から世代トップクラスの力を持っていた選手です。
南坂が年間を通して走れるだけでも、東海の駅伝オーダーはかなり変わってきます。
中野と南坂という、エース区間を任せられる選手が2人揃ってきたことは大きな材料です。
小野真忠も完全にブレイク
さらに面白いのが小野真忠です。
関東インカレ3000m障害では準優勝。
日本選手権ではさらに記録を伸ばし、社会人トップ選手に続く3位に入りました。
3000m障害の強さが、そのまま箱根駅伝につながるわけではありません。
それでも、このレベルのスピードと勝負強さを持つ選手が駅伝戦力として加われば、東海にとって大きなゲームチェンジャーになる可能性があります。
「予選会を突破するチーム」から「シードを狙うチーム」へ
全日本大学駅伝の関東地区選考会では、持ちタイムでは決して上位ではなかった東海大が総合2位で通過しました。
これはかなり面白い結果だったと思います。
単純な持ちタイム以上に、実戦で走れる選手が増えてきた。
そんな見方もできそうです。
もちろん、現時点で青山学院、駒澤、早稲田、中央などと同じ「優勝候補」に置くのはまだ早いでしょう。
一方で、昨季までのように「まず予選会を突破できるか」という目線だけで見るチームでもなくなってきました。
中野、南坂、小野。
ここに既存戦力がうまく噛み合えば、箱根駅伝のシード権争いに入ってきてもまったく不思議ではありません。
西出新体制で、「スピードの東海」は本当に帰ってくるのか。
2026年の大学駅伝を見るうえで、かなり楽しみなテーマの一つです。
ここから始まる駅伝シーズン。この3校の走りに注目
今回は2026年前半戦を振り返りながら、特に気になった3校を取り上げました。
早稲田大学は、集まった才能が順調に育ち、いよいよ優勝を狙える戦力へ。
中央大学は、もともと高かったスピードがさらに増し、今年こそ箱根の頂点を狙います。
そして東海大学は、新体制のもとで新たな主力が次々と現れ、復活への期待が高まっています。
ただし、ここまで見えているのはあくまでトラックシーズンでの現在地。
大学駅伝の本当の勝負は、ここからです。
各校はこれから夏合宿を経て、10月12日の出雲駅伝を皮切りに、いよいよ本格的な駅伝シーズンへ突入します。
さらに10月17日には箱根駅伝予選会、11月1日には全日本大学駅伝が控えています。
特に東海大学にとって、箱根駅伝予選会は「復活」が本物なのかを試される大きな一戦。
一方、早稲田大学と中央大学は、秋の駅伝で本当に優勝争いへ加わることができるのかに注目です。
5000mや10000mで見せたスピードが、駅伝ではどのような形で表れるのか。
そして夏を越えて、さらに伸びてくる選手は誰なのか。
前半戦で見えてきた変化が、秋にはどんな結果につながるのか。
これから始まる2026年の大学駅伝シーズンが、ますます楽しみになってきました。




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