全日本大学駅伝を熱く振り返る③

中央学院大

こんにちは。

全日本大学駅伝で各チームが得た収穫と箱根駅伝に向けての考察をまとめていきます。最終回となる今回は、全日本大学駅伝の11位~15位(中央学院大、東海大、帝京大、拓殖大、日体大)についてまとめます。

 

11位:中央学院大

■収穫:真骨頂の粘りが戻る

箱根予選を満身創痍で戦い抜き、ダメージが残った状態で臨むこととなった全日本。3区終了時に14位と出遅れて厳しくなるかと思いきや、4区以降で見事に巻き返しました。

前のチームが近くにおらず、1人で追いかけなければならない状況の中で、4区の吉田礼以降はいずれも区間10位以内で走破。7区吉田光、8区吉本の段階でやっと前が見えただけでなく、しっかり交わして11位でフィニッシュ。

このしぶとさこそが中央学院大の真骨頂。

中央学院大らしさが戻ってきました。

 

■箱根に向けて

箱根までは少し期間が空くので、どこまでコンディションを整えられるかが重要となります。あとは、今季走れていない小島主将が故障から復帰することができるか。山は誰が担うことになるのか。

このあたり整ってくれば、十分にシード争いに絡むことは可能です。

 

12位:東海大

■収穫:中間層が手応え掴む

元々卒業生の穴が大きかったのに、エース石原が故障欠場と大きな逆境からスタートした東海大。セカンドエースの市村も3区14位と伸び悩む中で、7区終了時にシードラインまで35秒と迫ることができたのは健闘したと言っていいでしょう。

特に4区川上が区間5位、5区神薗が区間6位、6区入田が区間9位と中間区間で揃って好走。繋ぎ区間は互角以上に戦えることを証明しています。

出雲、全日本で多くの新戦力が駅伝を経験しながら、好走経験を積んできました。

立て直しのシーズンとしては、悪くない動きができています。

 

■箱根に向けて

中間層が戦えることがわかったので、あとはエースの力が必要です。

石原はここまで姿を見せていないので、箱根には間に合わないかもしれません。今回2区で復活を果たした松崎や、長距離区間を担い続ける本間、駅伝ではなかなか結果が出ていませんが、スピードは学生トップクラスの市村がエースの役割を期待されることになるでしょう。

彼らがどこまで戦える体制を整えられるか、要注目です。

 

13位:帝京大

■収穫:新たな稼ぎ頭の誕生

中村風馬は2年次からレギュラーとして走ってきた主力選手です。彼の強みはなんといっても安定感。これまで5度走った駅伝で、いずれも区間10位前後で走っています。

そんな中村が今回、6区2位と突き抜けた結果を残してくれました。

安定感に爆発力も備わった中村、往路でのダッシュに向けて成長の手応えを感じさせています。

 

■箱根に向けて

橋本、遠藤、中村、細谷と2区以降は盤石の体制となってきましたが、スターターの確立が遅れているのが気になります。全日本でも1区を務めた小野はハイペースにつくことができず、区間19位に沈んでしまいました。

それでも彼のポテンシャルに賭けて箱根でも1区を任せるのか、それとも別の選手を起用するのか。中野監督の采配にも注目です。

 

14位:拓殖大

■収穫:シード校と真っ向勝負を展開する

まさかの箱根予選敗退により、全日本がシーズン最終戦となってしまった拓殖大。プライドを賭けてシード獲得に挑戦しましたが、結果は14位と跳ね返されることに。それでもラジニの3区2位の快走もあって、ずっと10位前後で戦い続けた経験こそが来年に繋がります。

特に小山や山田といった新戦力が流れの中で戦えたことが大きいです。彼らが駅伝を走っているのと、ひとつも駅伝を走っていないのとでは大違いです。

この悔しい思いは来年取り返してくれるはず。

反撃の第一歩目となる熱いレースでした。

 

■今後に向けて

一足早く、新チームの始動となります。今季の4年生は合田や桐山、竹蓋、新井など主力選手が多くいましたが、新チームのエースはまだ確立していません。

まずはラジニに次ぐ日本人エースの登場を待ちたいです。

 

15位:日体大

■収穫:分須が主要区間で結果残す

今回、日体大はエースの藤本もセカンドエースの大畑も欠場したこともあり、14位から5分以上遅れる関東最下位、結果としては厳しいものになってしまいました。

それでも、7区に起用された分須は区間12位と健闘することができました。もらった位置が低かったことを考えると、区間順位以上に価値があります。

箱根予選ではチーム内12位と苦しい走りになっただけに、今回の健闘は自信になったでしょう。箱根本戦でもいい区間で使いたくなる好走でした。

 

■箱根に向けて

まずは藤本と大畑の復帰が待たれます。彼らが流れを作らないことには、上位進出は難しいです。一方で、彼らに頼らずとも、自分で流れを切り替えられる選手が出てこないと、シード獲得には届きません。

箱根予選、全日本といい経験は積めました。あと2か月の調整に期待しましょう。

 

これにて、全日本大学駅伝の振り返りは終了となります。

次回からは箱根予選の激闘を振り返っていきたいと思います。

ではまた!

 

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