こんにちは。箱根駅伝に出場したチームの戦略と結果について1校ずつ振り返るシリーズ。あの興奮をもう一度！
今回は法政大の箱根駅伝について振り返ります。
往路：8位
復路：3位
総合：7位
今季は全日本への出場こそ逃したものの、各種記録会やハーフマラソンで勢いのあるところを見せていた法政大。内田が鎌田の次のエースとして大きく成長し、2年連続シードに向けて自信を持って箱根路に乗り込みました。
〇戦略
準エースの河田や、スピードがあって往路の主要区間を任せられる松本と小泉が外れてしまい、往路は突貫工事のようなオーダーとなりました。
1区2区は順当に松永、内田とエース格を並べられましたが、3区は川上、4区は扇と復路での出走も予想されていた選手を投入することに。
3区4区は多少後手を踏むことになったとしても、細迫、武田と経験者を並べた5区6区で巻き返すことは想定していたと思います。
後半は9区中園を中心に、派手さは無くとも堅実に繋げる選手たちが揃いました。ここは上手く流れればというところ。10区間通して、大きな穴が無ければ、思いっきり稼げる区間も6区くらいということで、どこまでミスなく繋ぎ続けられるかという勝負でした。
〇結果
1区松永が3位と完璧なスタートを切ると、2区内田も抜かれたのは吉居、近藤と留学生のみ。2区終了時は7位と好位置につけます。
3区川上が激流の中で順位を落としながらも10位で踏みとどまると、4区扇が2人抜き返す激走。ここで再び上昇気流に乗せられたのが大きかった。
5区細迫もしっかり順位をキープして往路は8位で終えました。
復路は6区武田が3人抜きでひとつ上の流れに入ります。7区宮岡がしっかり繋ぐと、8区宗像が区間賞の快走でシード安全圏に入ります。10区で少し順位を落としたものの、総合7位と危なげなく2年連続のシードを獲得しました。
〇感想
今回は法政大にとって、成長の跡を魅せられたレースとなりました。前回はほぼフルメンバーで戦って滑り込みのシードでしたが、今回は主力を複数欠きながらも余裕を持ってシード獲得。スタートから一度も圏外に落ちることなく繋ぎ切る盤石のレースとなりました。
特に流れが切れてもおかしくない中で踏みとどまった3区の川上、そこからもう一度上位の流れに戻した4区扇と、この2人の4年生の活躍が全体の流れを作るうえで大きかったと思います。
また、主力の欠場で手薄になると思われた復路の順位は3位。選手層で勝負できるチームになってきました。
強豪校へ向けて、また一歩進んだことを感じさせる充実した箱根駅伝でした。
〇今後に向けて
今回走った選手の中から、内田、川上、扇、中園が卒業します。いずれも流れを引き寄せる好走を見せた選手たちだったので卒業の穴が小さいとは間違っても言えません。
とはいえ今回の戦いでわかったように、法政大は誰か1人強い選手がいるから強いチームというわけではなく、組織として強いチームになっています。
次のエースも松永や宗像、小泉あたりが担っていくでしょう。
とはいえ、ここからひとつ上の領域に行くのが大変です。明確に稼げる区間をいくつ作れるか。突き抜ける選手の登場に注目していきたいです。
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