そんなに細かすぎない箱根駅伝ガイド~基本データ&往路編~

箱根駅伝

こんにちは。今回の記事は箱根駅伝をより楽しく、わかりやすく観ることができるように基本情報や区間の特徴、見どころを紹介する「そんなに細かすぎない箱根駅伝ガイド」です。

 

箱根駅伝通の方にとっては常識となっている情報しか書かないのでやや物足りないかもしれませんが、初心に立ち返る意味も込めて読んでいただけると嬉しいです。なんとなくお正月はテレビで箱根駅伝観るよ~って方!あなたがもっと楽しく箱根駅伝を観ることができたら嬉しいなと思ってこの記事を書いています。結構な大作になってしまいましたが、軽く読めるように工夫しましたので、ぜひ読んでみてください!

 

まずは基本データから!

 

〇基本データ

名称:第98回東京箱根間往復大学駅伝競走(通称箱根駅伝)

日程:2022年1月2日~3日(両日とも8:00スタート)

コース:全10区間 総距離217.1km

往路(107.5km)東京 大手町→箱根 芦ノ湖

復路(109.6km)箱根 芦ノ湖→東京 大手町

参加チーム:全21チーム

シード校(前回大会10位以内)10校+予選会上位10校

+関東学生連合(予選会敗退校から選抜したチーム)

 

〇出走メンバー確定までの流れ

■12/10 チームエントリー発表

部員の中から16名をエントリーします。ここに入れなかった選手は何があっても箱根駅伝を走ることができません。

 

■12/29 区間エントリー発表

16名のエントリーメンバーから1区~10区の走るメンバーを発表します。オーダー予想をしているファンにとっては答え合わせができる非常に楽しいイベントです。ただし、このとき補欠になっている選手から6人まで当日変更で走ることが可能です。

 

■1/2、1/3(7:30頃) 当日変更発表

レース当日になって当日変更の発表があります。この発表をもって出走するメンバーが確定します。

 

 

 

〇箱根駅伝の見どころ

①優勝争い

世の中のどんなレースにおいても真っ先に注目されるのは優勝争いです。箱根駅伝で優勝すると、走った10人と主務は翌朝のテレビ番組に出演できます。さらに、それから1年間は王者として他校からもマークされる存在になります。このチームが優勝したらこの選手も明日テレビに出演するのかな~と思いながら見てみると、ちょっと箱根駅伝の見方が変わるかもしれません。

 

②シード権争い

優勝争いと同じくらい熱いのがシード権争いです。シード権とは10位以内に入ったチームにのみ与えられる次回大会の出場権です。

シード権を逃すと次回は過酷な予選会を勝ち上がらないと出場権を得られません。前々回の中央学院大は最終区で逆転を許して11位になって予選会に回りましたが、翌年の予選会で敗退し、出場権を逃してしまいました。

 

また、箱根駅伝でシード権を獲得すると、翌年の出雲駅伝の出場権も得ることができます。前回は東京国際大が11位と26秒差の10位でシード権を獲得し、そのおかげで出場できた出雲駅伝でなんと優勝を果たしています。

一方、今季の明治大は出雲駅伝でも優勝争いができたほど戦力が充実していますが、前回の箱根で11位だったため出場することすら叶いませんでした。

それほど10位と11位の間には大きな差があります。

シード権のボーダー争いをしている選手たちは本当に必死です。その気持ちの籠もった走りにも注目してみてください。

 

 

③繰り上げを巡る攻防

箱根駅伝のすごいところは上位チーム(優勝争い)、中位チーム(シード権争い)だけでなく下位チームにも焦点を当てたドラマを用意していることです。

箱根駅伝では各中継所において先頭から通過してから一定時間が経過すると(基本的には20分)繰り上げスタートといって、前のランナーが到着していなくても強制的に次のランナーは白い襷をかけてスタートしないといけないルールがあります。

出場チームにとって、ゴールまで自チームの襷を繋げないことは屈辱です。

繰り上げを回避するために1秒でも速く走ろうと、もがく選手たちの姿にも注目してみてください。

 

 

④選手のドラマを知る

箱根駅伝では総勢210名の選手が走ります。その中にはスーパールーキーとして期待されている選手、故障からの復活を期す選手、過去の失速を糧に強くなった選手など、それぞれの選手にドラマがあります。そういった背景を知るとより選手のことを応援したくなる気持ちが強くなります。私はそんな選手のドラマをブログやTwitterで紹介しています。よかったら過去の記事やツイートを見てみてください。

 

 

⑤エントリーメンバーの予想

これはやや上級者向けの楽しみ方になります。箱根駅伝に詳しくなってくると、先ほど解説した10区間の出走メンバーを予想することがとても楽しくなります。箱根駅伝には12/10に16人のエントリーが出てからの10区間を走る選手の予想と、12/29に区間エントリーが出てから当日変更で誰がどの区間に入るのかの予想と二段階の楽しみ方が用意されています。

私も12/10に16人のエントリーが発表され次第、各チームのオーダー予想をしたいと考えています。

 

 

それでは各区間の特徴や見どころを紹介していきます。今回は往路5区間を一挙ご紹介します。1区からどうぞ!

 

 

~1区~

コース:大手町読売新聞社前→鶴見中継所

距離:21.3km

 

217.1km、10時間をゆうに超える長い戦いの幕開けとなる区間です。スタート時の号砲が鳴る瞬間には一年に一度の緊張感があります。

 

比較的短い距離で起伏も少なく、気温も低いため全10区間で最も走りやすいコースであると言えるでしょう。しかし、1区には各チームが誇る強力な選手が登場します。なぜなら、1区の出遅れは致命傷となり得るからです。1区での1分の遅れは他区間での2分の遅れと同じと言われることもあります。

そして、駅伝とは流れのスポーツです。1区で出遅れるとほとんどの場合、2区以降の選手も本来の力を発揮できずに低空飛行の駅伝となってしまいます。

 

ちなみに前回は最初の1kmが3分33秒という超スローペースで幕を開けました。その後もペースの上げ下げが激しく、とても難易度の高いレースとなりました。一方で、最初から超高速ペースで進むこともあり、1区を走る選手には高度な対応力が求められます。

 

ここまで説明してきた1区の重要性を踏まえて、この区間に起用されることが多いのは以下のような選手です。

 

①スピード系セカンドエース

例:三浦(順天堂大)、山谷(東京国際大)

 

②エース

例:手嶋(明治大)、吉居(中央大)

 

③期待のルーキー

例:佐藤(駒澤大)、伊藤(早稲田大)

 

④職人

例:児玉(東洋大)

 

1区を楽しむポイントはとにかく自分の応援しているチームの選手が出遅れないように祈ることです。15kmまでに先頭集団から離れてしまうとやっぱり結構な大差がついてしまいます。ハイペースになったときはどんどん選手が脱落していくので本当に心臓に悪いです。スローペースになったときは六郷橋という起伏の大きな橋のあたりでスパートをかける選手が現れるので注目してみてください。

 

 

~2区~

コース:鶴見中継所→戸塚中継所

距離:23.1km

 

起用されることの多い選手:エース

 

花の2区です。よっぽどの事がなければチームで最も強い選手が登場します。タフなコースで学生最高峰の戦いが見られる楽しい区間です。

 

コースの特徴としてはまず距離が長いこと、そして終盤に戸塚の壁と呼ばれる上りが待ち受けていることです。序盤から突っ込まないと流れに乗れないのですが、それで最後に一番の難所が待ち構えているという理不尽なコースです。

スタミナが尽きてふらふらになりながら中継所にたどり着く選手もいます。

 

2区の見どころは主に2点あります。

1つ目は「ごぼう抜き」です。1区の後でまだ差がない状態でスタートすること、2区の距離が長いことから頻繁にごぼう抜きが見られます。ちなみに過去最高のごぼう抜き記録はダニエル(日大)の20人抜きです。22位から2位まで順位を上げる信じられないくらい素晴らしい走りを見せました。もっと信じられないのはそのときのダニエルは区間賞を獲れなかったということです。

ダニエルが唯一抜けなかったモグス(山梨学院大)はその時、区間記録を樹立する走りを見せ、我々駅伝ファンにとっては「神」のような存在になりました。

 

なお、前々回で相澤(東洋大)がモグスの記録を超える快走を披露、前回はヴィンセント(東京国際大)がさらにその相澤の記録を超えています。

 

2つ目の見どころは「留学生VS日本人学生のエース」です。今回2区への出走が予想される留学生はワールドクラスのイェゴン・ヴィンセント(東京国際大)をはじめ、ライモイ・ヴィンセント(国士舘大)、ムルワ(創価大)、オニエゴ(山梨学院大)、ブヌカ(駿河台大)、キサイサ(専修大)です。

 

一方、日本人エースとして田澤(駒澤大)や藤本(日体大)が彼らに挑みます。特に田澤は10000mの自己ベストが27分23秒と、留学生も含めて最速の記録を持っています。彼は本気で区間賞を狙ってくるでしょう。

留学生vs日本人エースの熱き戦いにも注目してみてください。

 

~3区~

コース:戸塚中継所→平塚中継所

距離:21.4km

 

遊行寺の坂を下る以外は比較的平坦で走りやすいコースです。

2区までの勢いを持続させる、もしくは流れを作り直す区間として重要な区間です。

 

前回は帝京大の遠藤が3区で14位から8人抜き。ここで流れを立て直したことでシード権獲得に繋げています。一方、同じく2区まで出遅れた明治大と中央大は3区に主力を起用したもののそれぞれ順位を上げることができず、シード権まであと一歩届きませんでした。

そういった意味では、序盤の流れを取り戻せる最後の区間と言ってもいいのかもしれません。

 

3区に起用されることの多いのは以下のような選手です。

①スピード系セカンドエース

例:安原(駒澤大)、伊豫田(順天堂大)

 

②チームNo.1ルーキー

例:石田(東洋大)、小泉(法政大)

 

1区と起用される選手のタイプが似ており、前回の井川(早稲田大)のように3区で走った選手が翌年1区にコンバートされるケースもよくあります。

 

3区の見どころは主に2点あります。

1点目は「スピードスターの競演」です。3区は箱根駅伝の平地区間の中では最も走りやすくスピード感のある区間です。スピードのある選手が輝く舞台なので気持ちのいいごぼう抜きが見られます。

前回は遠藤(帝京大)が8人抜き、小林(駒澤大)が5人抜き、伊豫田(順天堂大)が4人抜きを達成しています。

 

2点目は「景観」です。3区は湘南海岸を左手に望みながら直進する距離が長いことで有名な区間です。海岸と防砂林と選手が並ぶ光景は壮観です。

 

~4区~

コース:平塚中継所→小田原中継所

距離:20.9km

 

起用されることの多い選手:タフ系セカンドエース

 

細かいアップダウンが続き、終盤には上り勾配が待ち受けているため、平地区間の中では最も距離は短いながらタイムが出づらく、難易度の高いコースとなっています。

 

以前は全長18.5kmと最短区間だったことからチーム内10番手の選手やルーキーが起用されることの多いつなぎ区間としての位置づけでしたが、第93回大会より距離が2.4km延長されたため、一転して主要区間となりました。

 

平地区間の中では2区と並ぶタフなコースのため、チームの中でも特に実力のある選手を置きたい区間です。

 

4区の見どころは何といっても「渋い選手たちの力強い走り」です。4区を走る選手たちは1~3区を走る選手と比べると華が少々不足する部分があるかもしれません。しかし、彼らは頼もしさ溢れる走りを魅せてくれます。難コースに立ち向かう選手の雄姿を見届けてください!

 

~5区~

コース:小田原中継所→箱根 芦ノ湖

距離:20.8km

 

往路の最終区間にして標高差864mを駆け上がる箱根駅伝を象徴する区間です。選手の適性に左右されるところが大きいため他区間よりタイム差が付きやすいことに加え、以前は23.4kmと最長区間でもあったことから5区で区間賞を獲得した選手がいるチームがほぼ往路優勝を果たすという偏った状況になり、距離が短縮された経緯があります。それでもなお、2区に次いで大きな順位変動が起こりやすい重要区間であることは間違いありません。

 

一生懸命終盤まで上りに上った後、最後に下りが待ち受けていることからここで力尽きて大失速する選手や、場合によっては途中棄権となってしまう選手も現れます。そんな緊張感あふれる5区を走ることが多い選手は以下のとおりです。

 

①山の経験者

経験値と適性がモノを言う区間なので基本的には前年5区を走った選手が続投するパターンが多いです。好走を重ねるといつしか「山のスペシャリスト」と言われるようになります。

 

②8区を走った経験のある選手

8区はつなぎ区間でありながら終盤に遊行寺の坂という険しい上り坂が待ち受けていることから、5区の養成区間としての一面を持っています。8区を走った選手が1年間かけて力をつけて5区に挑むということはよくあることです。前回は8区を走った経験のある選手のうち、殿地(國學院大)が5区に挑戦し、好走を見せました。

 

③エース

ここにエースを置いて走力で箱根の山をねじ伏せにいくチームもあります。かつて國學院大の躍進を牽引した浦野は3年次に5区に挑戦。特別山上りの練習をすることもなく臨んだのですが、圧倒的な走力でカバーして区間賞を獲得しました。

 

5区の見どころは「山の神のスリル」です。数年に一度、箱根5区にとてつもない適性を持った選手が現れます。山を上り始めたらすぐに彼らが神であることがわかります。彼らは本当に軽やかに山を駆け抜けます。そういう選手がいるチームはほぼ間違いなく往路優勝を果たします。そしてスターになります。5区を走る選手にはそれだけの夢と可能性があります。ぜひ、彼らの挑戦を見届けていただきたいです。

 

そして今回の5区は前回覇者の細谷(帝京大)、前回区間2位の三上(創価大)、前々回区間賞の宮下(東洋大)、前々回区間2位の飯田(青山学院大)、激坂王学生トップの殿地(國學院大)と実績のある選手がこれでもかと揃っています。区間賞争いは熾烈なものになること間違いなしです。

 

“山を制する者は箱根を制す”

5区の緊張感あふれる戦いに注目です。

 

今回はここまでにします。長文にお付き合いいただきありがとうございました。

次回は復路を紹介します。お楽しみに!

 

 

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