全日本大学駅伝を熱く振り返る①

全日本大学駅伝

こんにちは。

今回からは、先日行われた全日本大学駅伝に出場したチームが得た収穫と箱根駅伝に向けた展望をまとめていきます!(箱根予選はこの企画が終わった後に振り返ります!)

史上最高の戦国駅伝となった全日本大学駅伝。最後の最後まで優勝争いがもつれる、とても面白い大会となりましたね。

駒澤大が実に6年ぶりに王座奪還したことも印象深いです。

今回は全日本大学駅伝の上位5チーム(駒澤大、東海大、明治大、青山学院大、早稲田大)についてまとめます。

優勝:駒澤大

収穫:“勝ち切った”こと

駒澤大は村山謙太、中村匠吾らを擁して最後に全日本大学駅伝を制覇して以降、優勝候補と言われながらもなかなか勝てないレースが続きました。昨年の出雲駅伝もアンカーまで首位を走りながらも最後に國學院大に交わされてしまいました。

そんな駒澤大が遂に勝ち切ったのです。

上位の速すぎる流れに置いて行かれそうになりながらも、加藤、花尾、鈴木、伊東、酒井、山野、小林と必死に食らいついていったことが最後の田澤での逆転勝利に繋がりました。

これだけ実力あるチームが一度勝利の味を知ったとき、堰を切ったように勝ち続けてもおかしくありません。

そういった意味では、今後の駒澤大の歴史を変える可能性のある勝利でした。

・箱根に向けて

箱根駅伝で勝つためには田澤以外に流れを変えられる選手がどれだけ現れるかがカギとなってきます。

今回粘走した鈴木や小林といった主力の調整が重要になります。

また、山上りは前回失速した伊東が再登板するのか、はたまた新戦力に託すことになるのか注目です。

2位:東海大

収穫:流れを変える新戦力の登場

2区市村のまさかのブレーキによって後方からのレースを余儀なくされた東海大。3区塩澤だけではカバーしきれなかったところ、4区の石原と6区の長田がそれぞれ区間賞の走りで大きく追い上げて優勝争いに押し戻してくれました。

石原は単独走から5人抜き、長田は6人抜きで首位奪取と本当に素晴らしい走りでした。

名取、塩澤、西田の三本柱以外の選手に実績が少ないことが不安視されていた東海大において、これだけ大きく流れを変えられるカードがさらに2枚も加わったことはかなりの収穫になります。

・箱根に向けて

名取、塩澤、西田と往路の主要区間にがっちりハマる選手がいるのが大きな強みです。戦力バランスの良さから見ても、箱根では優勝候補と言えるでしょう。

あとは今回苦しんだ市村や、エントリーから外れた松崎の復調が待ち遠しいところ。彼らが本来の状態で戦列に戻ってくれば、さらに分厚い戦力で臨むことができます。

3位:明治大

収穫:堂々と優勝争いをする

ここ数年の明治大は、持ちタイムは速くてもどこかの区間でブレーキが出てしまい、後手に回るというレースパターンが多かったです。

そのトンネルを抜け出したのが前回の箱根だったのですが、今回はさらに高いレベルでミスなく繋ぎ切りました。

その結果、7区途中まで優勝争いに食い込み、3強の一角である青山学院大に先着することができたのです。

このレースは自信になったでしょう。チームとしてさらに一皮剥けそうな予感です。

・箱根に向けて

今回走った8人に加えて前田や村上、富田など実力者がまだまだ控えています。そして1区から6区まで前回の好走経験者がそのまま残っているのも心強いところ。

3強にも、取りこぼせば明治大が噛みついてくるというインパクトは与えているはずです。

ファンのみなさんはただ、明治大の戦いをわくわくして待っていればいいのではないでしょうか。

4位:青山学院大

収穫:若手主体で流れを作る

青山学院大は今回、神林吉田と頼りになるエースを終盤区間に回し、6区まで若手中心のオーダーを組みました。

もちろん、確かな実力の裏打ちがあっての采配ではありますが、若いオーダーだと一度流れを失ったときにズルズルと後退するリスクも抱えることになります。

案の定、2区近藤が14位まで順位を落とすことに。

それでも、3区中村が8人抜きの快走で立て直すと、5区佐藤も区間賞の走りで先頭に肉薄するなど、7区神林で首位奪取する想定通りの展開に持ち込むことができました。(8区吉田が逆転を許したのは想定外でしたが、これもまた駅伝の面白く、恐ろしい部分のひとつです)

思い切って若手に柱としての自覚を求めながら戦った原監督の思いはある程度満たされているのではないでしょうか。

・箱根に向けて

今回まさかの失速となった吉田、欠場した岸本、飯田とエース格の状態が気になるところです。選手層は申し分なく、中村、佐藤、神林とスピードに乗って稼げる選手も揃ってきただけに、エース区間を走る彼らの復調が待ち遠しいです。

また、部内競走が激しすぎるが故のピークアウトも一部で指摘されています。

総合力が最も高いチームであることは間違いないので、原監督のマネジメントに注目ですね。

5位:早稲田大

収穫:悩めるエースの復調

今回、早稲田大はかなり思い通りにレースを進めることができました。序盤を辻、井川の下級生で凌ぎ、中谷と太田を並べた3区4区で一気に抜け出すという戦略通りの展開に。5区6区で他校の猛追に遭いますが、秒差はほとんどない状態で7区エースの鈴木に襷が渡りました。

そして実は鈴木が今季不調だったんですね。

西田(東海大)、加藤(明治大)、神林(青山学院大)、小林(駒澤大)、西山(東洋大)と他校のエース達に囲まれてストレスのかかるレース展開でしたが、それでも区間9位にまとめてくれました。

悪い時になんとかしてくれるのはエースの条件のひとつ。

箱根2区の目途が立ちました。

・箱根に向けて

課題の選手層は千明や教育実習の影響でメンバーから外れた4年生の復帰で解決してくるはず。

中谷や太田の充実っぷりから考えても、箱根では優勝を狙えるチームの一角として臨むことができそうです。

回はここまでにします。次回は全日本大学駅伝6位~10位のチームについて熱く振り返りますのでお楽しみに。

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