箱根駅伝2020振り返り~法政大~

法政大

こんにちは。箱根駅伝に出場したチームの戦略と結果について1校ずつ振り返るシリーズ。今回は法政大の箱根駅伝について振り返ります。

往路:16位

復路:14位

総合:15位

過去3大会連続でシード権を獲得するなど充実期に入っている法政大。今季も佐藤、青木、坪井の強力三本柱を軸に大暴れ、といきたいところでしたが、佐藤と坪井が相次いで戦線離脱。出雲と全日本は厳しい戦いになってしまいましたが、育んできた新戦力の力を結集して箱根でのリベンジを目指しました。

〇戦略

エース佐藤の欠場により前半区間を実績の少ない下級生に託さざるを得ない状況に。1区久納、2区鎌田でなんとか凌げれば、というところでした。尤もここさえ切り抜けることができれば3区は経験豊富な岡原、4区には1年生ながらエース級の活躍を続けている河田、そして5区にはスペシャリストで大黒柱の青木と十分に攻められるメンバーを揃えられていました。

復路は坪井が間に合った6区がまずひとつ攻めるポイント。7区以降にも松澤や清家などしぶとく戦えるランナーが揃っており、往路終了時に10位前後につけていればシード権獲得は可能であると睨んでいました。

〇結果

1区久納がハイペースに耐え切れず19位でのスタート。しかも2区鎌田にとっては、すぐ後ろで走り出した国士舘大のヴィンセントに交わされて単独最下位に転落するという、力を発揮するのがとても難しい位置になりました。それでも何とか最低限のラインでは耐えましたが、3区岡原も続けて区間18位と浮上することができず、この時点でシードラインとは6分半以上の大差がついてしまいました。
ただ、そのまま沈み続ける法政大ではありませんでした。

4区河田が2人を抜いて最下位を脱出すると、5区青木もさらに2人抜いて往路は16位でフィニッシュ。復路での逆転シード獲得も不可能でない領域まで来ました。

大逆転を目指して飛び出した6区坪井。しかし、1年間通して走れなかったツケが出たのでしょうか、区間15位とスタートダッシュをかけることができませんでした。9区清家の区間7位の好走は光りましたが、7区以降も大きく順位を上げることはできずに悔しい総合15位でのフィニッシュとなりました。

〇感想

ここ数年見せていた平地区間で耐えて、山で一気に稼ぐ作戦が今回は通用しませんでした。やはり高速化した前半区間に対応できる平地のエース不在が響いた形です。駅伝の流れに置いて行かれすぎてしまうと、いくら5区に青木がいても難しかったですね。

今回はそこに尽きると思います。流れの中で勝負できていれば、シード権を獲得できたでしょう。エースが不在でも、地力のあるチームを作る文化がすでに法政大には根付いているんだなとも感じさせる今大会でした。

〇今後に向けて

佐藤、青木、坪井と躍進の立役者となった選手たちが卒業します。正直、かなり危機的な状況になります。このままでは、箱根予選も厳しいと思われます。でも、先述したようになんだかんだ言って地力のあるチームです。新エースの鎌田と河田を軸に、また新しい色のチームを作っていくのでしょう。

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