こんにちは。いよいよ大学駅伝シーズンの開幕を告げる「出雲駅伝2026」が近づいてきました。
出雲駅伝は、全日本大学駅伝・箱根駅伝と並ぶ「大学三大駅伝」の一つで、その開幕戦にあたる大会です。
2026年1月の箱根駅伝を終えてから約9か月。
春のトラックシーズン、日本選手権、夏合宿を経て、各大学がどこまでチーム力を高めてきたのか。
その最初の答え合わせとなるのが出雲駅伝です。
本記事では、2026年出雲駅伝のエントリー情報をもとに、優勝候補・順位予想・注目選手に加え、関東地区から出場する10大学の戦力分析と区間オーダー予想まで詳しくまとめました。
前回大会を制した國學院大學が3連覇を果たすのか。
前回2位の早稲田大学がさらに強力になったスピードを武器に頂点へ立つのか。
あるいは中央大学・青山学院大学・創価大学などがその争いに割って入るのか。
2026年の出雲駅伝は全6区間・45.1km。
1区8.0km、2区5.8km、3区8.5km、4区6.2km、5区6.4km、そして最長の6区10.2kmという、三大駅伝の中でも特にスピードが求められる大会です。
今年は10月12日(月・祝)の午前9時10分にスタートします。
わずかな出遅れが致命傷になりやすい出雲だからこそ、誰を1区に置くのか、エースを3区に投入するのか、それとも6区まで残すのか。
各校の戦力を整理しながら、2026年大会の展開を予想していきます。
※チームエントリーは2026年9月24日公開の速報版を基にしています。正選手6名・補員2名のメンバーエントリーは10月9日9時までで、大会当日の変更もあるため、本記事の区間オーダーは2026年10月1日時点での予想です。
2026年出雲駅伝|2025出雲・2026トラックシーズンから見える勢力図
2026年の出雲駅伝を予想するうえで、まず振り返っておきたいのが前回大会です。
2025年の出雲駅伝を制したのは國學院大學。
5位で入った1区から徐々に前との差を詰め、3区の野中恒亨が区間2位、4区の辻原輝が区間新記録となる17分20秒で首位へ。
そのまま逃げ切り、出雲2連覇を達成しました。
2位には早稲田大学。
3位には創価大学が入り、4位にはアイビーリーグ選抜。
以下、駒澤大学、城西大学、青山学院大学、帝京大学と続きました。
一方、2026年シーズンに入ると勢力図には少し変化が見えています。
特にスピードという意味で今年目立っているのが早稲田大学と中央大学です。
早稲田は山口竣平が日本インカレ10000mを27分59秒47で優勝。
鈴木琉胤は日本選手権5000mで学生トップとなる13分24秒60をマークし、1年生の増子陽太も同レースで13分27秒08。
9月末のThe Road of WASEDAでも12人が自己記録を更新しており、チーム全体として出雲に向けて状態を上げてきている印象です。
中央大学も負けていません。
10000m上位選手の平均タイムが27分台に突入するほどの高速チームとなり、岡田開成は関東インカレ5000mを制覇。
日本選手権では藤田大智、岡田が5000m決勝まで進んでおり、出雲への適性だけを考えれば大学トップクラスのメンバーが揃っています。
そして忘れてはいけないのが國學院。
前回優勝メンバーの野中恒亨・辻原輝・尾熊迅斗が残り、さらに箱根5区で好走した髙石樹が7月に10000m27分57秒71をマーク。
前回から主力が卒業したとはいえ、3連覇を狙えるだけの戦力は十分に残っています。
青山学院大学は前回7位。
ただし、5区の塩出翔太、6区の黒田朝日が連続区間賞で猛追したように、後半には青学らしい爆発力を見せました。
今回はその2人が卒業した一方、小河原陽琉・飯田翔大・折田壮太という前回出走した3年生に、箱根4区3位の平松享祐などが加わります。
創価大学も面白い存在です。
前回3位の1区織橋巧・2区小池莉希・3区スティーブン・ムチーニが揃って残りました。
小池は関東インカレ10000mで27分52秒43の日本人トップ。
さらに9月の日本インカレ5000mでは1年生の菅野元太が日本人トップの2位に入るなど、新戦力も出てきています。
これらを総合すると、現時点での勢力図は次のように見えます。
・國學院大學 … 出雲2連覇中。野中・辻原・尾熊の優勝経験者が残る完成度の高いチーム。
・早稲田大学 … 前回2位の主力が大量に残り、2026年はトラックでも学生トップクラスのスピード。
・中央大学 … 6人を選ぶだけなら最強クラス。前回10位のリベンジなるか。
・青山学院大学 … 前回の序盤失速が課題。若手中心だったメンバーが1年成長して再挑戦。
・創価大学 … 小池・ムチーニの両エースに加えて新戦力も台頭。前回3位以上を狙える。
・順天堂大学 … 箱根3位のメンバーがほぼそのまま残り、吉岡大翔を軸に初戦から上位を狙う。
國學院の3連覇。
スピードをさらに増した早稲田。
圧倒的な持ちタイムを持つ中央。
そこへ青山学院・創価・順天堂が追う。
2026年の出雲駅伝は、この6校を中心にレースが動いていくと予想します。
ただし、関東勢以外では前回4位のアイビーリーグ選抜も無視できません。
今回も強力なメンバーがエントリーされており、関東勢同士だけを見ていると表彰台争いに割って入られる可能性があります。
2026年出雲駅伝 エントリー・出場チーム一覧【確定情報】
2026年の出雲駅伝には、各地区学連から20チーム、米国アイビーリーグ選抜、中国四国学連選抜を合わせた22チームが出場します。
関東地区から出場するのは10大学。
関東地区(10校)
本記事では、この関東10校を中心に戦力を見ていきます。
・青山学院大学
・國學院大學
・順天堂大学
・早稲田大学
・中央大学
・駒澤大学
・城西大学
・創価大学
・帝京大学
・日本大学
その他地区・選抜(12チーム)
・札幌学院大学
・北海道大学
・東北学連選抜
・信州大学
・金沢学院大学
・皇學館大学
・関西大学
・京都産業大学
・広島経済大学
・第一工科大学
・アイビーリーグ選抜
・中国四国学連選抜
ここからは、発表されたエントリーメンバーをもとに、関東地区の10大学を順に見ていきます。
最初は、2026年箱根駅伝を制した青山学院大学から。
2026年出雲駅伝 エントリーメンバーから見る関東10校の戦力分析・区間予想
青山学院大学
■チームの現状と2026シーズンの評価
2025年の出雲駅伝では7位。
1区小河原陽琉が6位でまとめたものの、2区折田壮太が区間10位、3区飯田翔大も区間10位と流れに乗り切れず、4区終了時点では11位まで順位を落としました。
その後、塩出翔太と黒田朝日が5区・6区を連続区間賞で走り7位まで戻しましたが、出雲では序盤の出遅れを取り返すことの難しさを改めて感じさせるレースでした。
ただし、今年は状況が少し違います。
前回出雲を走った小河原・折田・飯田は全員3年生となり、箱根を経験して1年前より明らかに経験値を上げています。
さらに箱根4区3位の平松享祐、6区3位の石川浩輝も逞しく成長してエントリー。
前回ほど「若手中心」という印象ではなくなりました。
■主力選手
・平松享祐(4年)
…2026年箱根4区3位。長い距離でも安定して走れる選手で、3区または6区に置ける存在。
・飯田翔大(3年)
…箱根では2区を担当。10000m27分51秒51を持ち、出雲のエース区間でも勝負できる。
・小河原陽琉(3年)
…前回出雲1区経験者。集団の中でスタートできる経験は大きく、今年も1区候補の筆頭。
・石川浩輝(2年)
…前回の箱根6区では優勝争いの流れを決める快走。スピードに長けた主力候補。
青学は前回の出雲で「後半は強かったが、前半で勝負が終わってしまった」というレースでした。
だからこそ今年は、前回とまったく同じ1~3区ではなく、少し配置を変えてくると予想します。
■区間オーダー案
1区:小河原陽琉(3年)
2区:黒田然(3年)
3区:飯田翔大(3年)
4区:石川浩輝(2年)
5区:古川陽樹(1年)
6区:平松享祐(4年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・小河原・飯田・折田の出雲経験者が残る
・平松を3区にも6区にも置ける配置の柔軟性
・前回の失敗をそのまま修正できるメンバー構成
青山学院は、箱根駅伝を制したチームではありますが、出雲という競技だけを考えれば今年も絶対的な本命とは言い切れません。
前回5区・6区で区間賞を取った塩出・黒田朝日が卒業していることは大きく、今年は序盤から前にいなければ勝負にならないでしょう。
一方で、箱根の優勝で自信をつけたのも確か。
1区から3区を上位で繋ぐことができれば、優勝争いに加わってもまったく不思議ではありません。
國學院大學
■チームの現状と2026シーズンの評価
出雲駅伝2連覇中。
今年も優勝候補から外すことのできないチームです。
前回は1区5位、2区終了時点でも5位。
それでも3区野中恒亨が区間2位で2位まで浮上すると、4区辻原輝が17分20秒の区間新記録で首位へ。
そのまま一度もトップを譲りませんでした。
この「序盤で無理に飛び出さず、中盤で確実にレースを動かす」という形は現在の國學院の大きな強みです。
今年は優勝メンバーから3人が卒業しましたが、野中・辻原・尾熊迅斗の3人は健在。
さらに髙石樹が10000m27分57秒71まで記録を伸ばしています。
■主力選手
・野中恒亨(4年)
…前回3区区間2位。10000m27分36秒64を持つ絶対的エースで、今年も3区が最有力。
・辻原輝(4年)
…前回4区区間新。流れを一気に変えられる選手で、出雲との相性は抜群。
・尾熊迅斗(3年)
…前回2区を担当。三大駅伝を経験しており、序盤の重要区間を安心して任せられる。
・髙石樹(2年)
…箱根5区4位の走力に加え、今年は10000m27分台へ。前年から最も上積みが大きい選手の一人。
・飯國新太(3年)
…箱根8区2位。ロードで崩れにくく、最長6区まで候補にできる。
■区間オーダー案
1区:髙石樹(2年)
2区:尾熊迅斗(3年)
3区:野中恒亨(4年)
4区:辻原輝(4年)
5区:浅野結太(3年)
6区:飯國新太(3年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・3区野中、4区辻原という前回優勝パターンをそのまま使える
・髙石の成長によって卒業生の穴を埋められる
・6人全員を大きく崩れない選手で揃えられる
個人的には今年もかなり強いと思っています。
前回より戦力が大きく上がったというより、勝ち方を知っていることが最大の強み。
出雲は45.1kmしかありません。
一人の大ブレーキがそのまま致命傷になりやすい大会で、「大きく外さない6人」を作れる國學院の安定感は非常に怖いです。
3区野中・4区辻原で今年も先頭に立てれば、3連覇は現実的でしょう。
順天堂大学
■チームの現状と2026シーズンの評価
2026年箱根駅伝で総合3位。
今回の出雲で非常に面白い存在なのが順天堂大学です。
箱根では池間凛斗が1区9位、吉岡大翔が2区9位、井上朋哉が3区4位。
さらに永原颯磨が8区3位、山本悠が10区3位と、今回の出雲エントリーに入った選手が各区間で安定した走りを見せています。
トラックでも吉岡が日本インカレ10000m2位、山本が5位。
出雲向きのスピードを持ちながら、箱根を走り切れるロード力もあるのが魅力です。
■主力選手
・吉岡大翔(4年)
…高校時代から世代トップクラスのスピードを持つエース。今年の日本インカレ10000m2位。
・山本悠(3年)
…日本インカレ10000mで28分19秒16の自己ベスト。箱根10区でも3位と安定感がある。
・井上朋哉(2年)
…箱根3区4位。学生駅伝の前半区間で戦えることをすでに証明している。
・池間凛斗(3年)
…箱根1区を経験。出雲でも1区を任せやすい選手。
■区間オーダー案
1区:池間凛斗(3年)
2区:井上朋哉(2年)
3区:吉岡大翔(4年)
4区:永原颯磨(3年)
5区:今井悠貴(3年)
6区:山本悠(3年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・箱根3位メンバーを中心に6人を組める
・3区吉岡という大黒柱
・井上・永原と繋ぎ区間に稼げる存在
順天堂は「大エースが1人だけ」というチームではありません。
箱根で3位になった最大の理由も、複数区間で上位をまとめ続けたことでした。
出雲では池間、井上、吉岡で上位につけながら、4区永原で一気に勝負を動かす形になったら面白いでしょう。
優勝候補の三校ほどスピードの派手さはありませんが、気が付けば表彰台にいる可能性が高いチームだと見ています。
早稲田大学
■チームの現状と2026シーズンの評価
今回、最も楽しみなチームです。
前回の出雲駅伝は2位。
しかも、当時走った吉倉ナヤブ直希・鈴木琉胤・佐々木哲・堀野正太・工藤慎作の5人が今年もエントリーしています。
つまり、前回2位の6人中5人がそのまま残っています。
さらに今年は山口竣平が日本インカレ10000mを27分59秒47で制覇。
鈴木琉胤は日本選手権5000mで13分24秒60の学生トップ、1年生の増子陽太も13分27秒08と、スピードという意味では昨年以上のチームになりました。
箱根でも吉倉が1区7位、山口竣平が3区8位、鈴木が4区区間賞、工藤が5区3位。
出雲向きのスピードだけではなく、ロードで戦える選手が揃っています。
■主力選手
・山口竣平(3年)
…日本インカレ10000m優勝。長い距離を押し切る走力があり、2区~3区候補。
・鈴木琉胤(2年)
…日本選手権5000m学生トップ。出雲3区を任せられる大学トップクラスのスピード。
・工藤慎作(4年)
…箱根5区3位。9月末のロードでも好走しており、最長6区の有力候補。
・吉倉ナヤブ直希(3年)
…前回出雲1区、箱根でも1区を担当。スタート区間の経験値は非常に高い。
・増子陽太(1年)
…日本選手権5000m13分27秒08。1年生ながらすでに大学トップクラスのスピードを持つ。
■区間オーダー案
1区:鈴木琉胤(2年)
2区:吉倉ナヤブ直希(3年)
3区:山口竣平(3年)
4区:増子陽太(1年)
5区:佐々木哲(2年)
6区:工藤慎作(4年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・前回2位の出走メンバーが5人残っている
・山口・鈴木・増子という学生トップクラスのスピード
・アンカー工藤も逆転を許すことは想像できない
今年の早稲田はかなり強いです。
特に出雲では、5000mのスピードをそのまま駅伝へ持っていける点が大きい。
鈴木で前に付けて、吉倉・山口で上位固め。
4区以降の増子・佐々木も大学駅伝の経験こそ少ないものの、高校時代から世代トップクラスの選手。
6区の工藤まで含めて穴らしい穴がありません。
個人的には今回、優勝候補の筆頭に置きたいチームです。
中央大学
■チームの現状と2026シーズンの評価
持ちタイムだけを見れば、今年の出雲で最も恐ろしいチームかもしれません。
中央大学は10000m上位選手の平均タイムが27分台に突入。
岡田開成を中心に藤田大智・三宅悠斗・濵口大和と、高速駅伝に対応できる選手が揃っています。
岡田は関東インカレ5000mを優勝。
日本選手権でも岡田と藤田が5000m決勝に進出しています。
しかし、忘れられないのが前回の出雲。
岡田が1区区間賞で最高のスタートを切りながら、2区で10位まで後退。
最終的には総合10位まで順位を落としました。
出雲では一人の失速がどれほど大きいか。
その怖さを知るレースでもありました。
■主力選手
・岡田開成(3年)
…前回1区区間賞。関東インカレ5000mも制しており、今年もチームの中心。
・藤田大智(4年)
…箱根1区2位、日本選手権5000m決勝進出。能動的にレースを動かせる主将。
・三宅悠斗(2年)
…今季成長が目立つ選手。10000mでも大学トップクラスの走力を持つ。
・佐藤大介(3年)
…前回出雲5区3位、箱根8区4位。駅伝で計算できる存在。
・栗村凌(1年)
…スピードのある1年生。全国大会での経験も豊富で頼れる存在。
■区間オーダー案
1区:藤田大智(4年)
2区:三宅悠斗(2年)
3区:岡田開成(3年)
4区:濵口大和(2年)
5区:佐藤大介(3年)
6区:栗村凌(1年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・6人だけを選ぶ出雲なら圧倒的なスピード
・藤田、三宅、岡田と波状攻撃を仕掛けられる
・安定感のある佐藤大介
中央の場合は非常にシンプルです。
持っている力を普通に出せれば優勝候補。
ただ、それを6区間続けられるかが最大の課題です。
昨年も1区終了時点では理想的な展開でした。
今年は2区以降も先頭集団の中で走り続けることができるか。
ハマった場合の爆発力なら、今回の10校でもトップクラスだと思います。
駒澤大学
■チームの現状と2026シーズンの評価
前回出雲は5位。
1区谷中晴が区間2位、2区帰山侑大も区間2位と最高に近い形でレースを進めましたが、3区桑田駿介が区間9位となり優勝争いから後退しました。
その後は4区伊藤蒼唯が区間2位、6区山川拓馬も区間2位で追い上げています。
今年はその帰山・伊藤・山川らが卒業。
昨年までとはチームの顔ぶれがかなり変わりました。
一方、谷中・桑田は残り、箱根1区5位だった小山翔也、箱根5区7位の安原海晴もエントリー。
さらに1年生を4人登録しており、次世代へ切り替わるシーズンでもあります。
■主力選手
・谷中晴(3年)
…前回1区区間2位。競り合いに強く、前半区間に置きたい選手。
・桑田駿介(3年)
…昨年の出雲では苦戦したものの、その後上尾ハーフで60分48秒、箱根2区でも快走。出雲でのリベンジを果たしたい。
・小山翔也(4年)
…箱根1区5位。序盤区間で計算できる貴重な上級生。
・鈴木大翔(1年)
…高校時に増子陽太を押さえて都道府県対抗駅伝1区区間賞獲得。高いスターター適性を持つ。
■区間オーダー案
1区:鈴木大翔(1年)
2区:小山翔也(4年)
3区:谷中晴(3年)
4区:池谷陸人(1年)
5区:上岡煌(2年)
6区:桑田駿介(3年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・ルーキーたちに勢いあり
・桑田が昨年のリベンジを果たせるか
・若手中心へ切り替わる中で上級生の経験値が鍵
駒澤は例年なら当然優勝候補に置きたいチームですが、今年の出雲に限っては少し評価を下げました。
理由は明確で、昨年の主力が卒業し、新しいチームへ切り替わっている最中だからです。
谷中・桑田・小山あたりが前半を上位で走れば、駒澤らしい粘りのレースへ持ち込めます。
ただ、早稲田・國學院・中央と比較すると、現時点では6枚のスピードでやや分が悪い印象です。
城西大学
■チームの現状と2026シーズンの評価
今年の城西には、学生長距離界でも屈指のゲームチェンジャーがいます。
柴田侑です。
4月に5000m13分22秒46。
5月には3000mで7分39秒51をマークし、日本学生最高記録を更新。
日本選手権5000m予選でも13分28秒05で組1着となっています。
前回出雲では柴田が1区7位。
その後、小林竜輝が2区5位、ヴィクター・キムタイが3区区間賞を獲得して、一時は首位まで浮上しました。
最終順位は6位でしたが、出雲で前に出る方法を知っているチームです。
今年は卒業したキムタイに代わり、1年生のルト・アロンがエントリー。
ここが最大のポイントになりそうです。
■主力選手
・柴田侑(4年)
…今季大ブレイク。5000mから10000mまで大学トップクラスで、どこに置いても勝負区間になる。
・小林竜輝(3年)
…前回2区5位、箱根3区6位。駅伝での安定感が高い。
・ルト・アロン(1年)
…今回のジョーカー。チームの順位を一気に変える可能性がある。
■区間オーダー案
1区:柴田侑(4年)
2区:小林竜輝(3年)
3区:ルト・アロン(1年)
4区:橋本健市(3年)
5区:山本聖也(1年)
6区:中島巨翔(4年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・柴田という明確なゲームチェンジャー
・小林まで含めれば1~2区でかなり前に行ける
・ルト・アロンがどこまで大学駅伝に対応できるか
城西の最大の魅力は、1区からレースを壊せる可能性があることです。
今年の柴田なら、単に集団についていくだけではなく、自らペースを上げる展開も考えられます。
そこから小林、ルト・アロンまで噛み合えば、3区終了時点で首位争いに加わっている可能性もあります。
一方で4区以降をどこまで粘れるか。
表彰台へ行くためには、昨年以上に後半区間の踏ん張りが必要でしょう。
創価大学
■チームの現状と2026シーズンの評価
前回3位。
今年は優勝争いに入ってきてもおかしくないチームです。
最大の理由は、前回1~3区を走った織橋巧・小池莉希・スティーブン・ムチーニが全員残っていること。
特に小池は今季大きく成長しています。
関東インカレ10000mで27分52秒43の日本人トップ。
日本選手権5000mでも13分28秒80をマークし、9月末にはさらに状態の良さを示しています。
また、日本インカレ5000mでは菅野元太が日本人トップとなる2位。
今回のエントリーには入らなかったベナード・キクンビが優勝しましたが、その選手に続いて菅野が2位に入ったことからも、チーム全体の状態の良さが見えます。
■主力選手
・小池莉希(4年)
…10000m27分52秒43。現在の創価を代表する日本人エース。
・スティーブン・ムチーニ(4年)
…箱根2区5位。前回出雲でも3区を担当しており、今年もエース区間候補。
・織橋巧(4年)
…前回1区を経験。箱根3区9位など安定して前半区間を走れる。
・菅野元太(1年)
…日本インカレ5000m日本人トップ。短い4区、5区なら一気に区間上位まで期待できる。
■区間オーダー案
1区:織橋巧(4年)
2区:小池莉希(4年)
3区:スティーブン・ムチーニ(4年)
4区:菅野元太(1年)
5区:村上遵世(1年)
6区:山口翔輝(3年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・前回3位の1~3区をそのまま再現できる
・成長した小池はごぼう抜きの期待
・菅野という新たなゲームチェンジャー
かなり面白いです。
前回3位だったチームの前半3人がそのまま残り、その中でも小池が大きく成長しています。
さらに4区以降に菅野を投入できるなら、昨年より戦える可能性すらあります。
前半から積極的に前へ出る創価らしいレースになりそうです。
帝京大学
■チームの現状と2026シーズンの評価
前回出雲8位、2026年箱根9位。
順位だけを見ると優勝候補からは離れていますが、今年の出雲では侮れないチームです。
その理由は楠岡由浩。
6月の日本選手権5000m予選で13分26秒92をマークし、実業団のトップ選手が並ぶ組で1着。
箱根では負傷の影響で2区20位と苦戦しましたが、出雲向きのスピードという意味では、今回の日本人選手でも上位に入ります。
このスピードを生かすなら、3区に置くのが面白いでしょう。
■主力選手
・楠岡由浩(4年)
…日本選手権5000m13分26秒92。出雲3区で一気に順位を上げられる可能性がある。
・浅川侑大(4年)
…箱根5区8位。距離に強く、6区候補。
・松井一(3年)
…箱根8区4位。ロードでの安定感があり、1区でも6区でも使える。
・廣田陸(4年)
…箱根6区6位。駅伝経験が豊富で、繋ぎ区間で計算しやすい。
■区間オーダー案
1区:松井一(3年)
2区:松尾航希(1年)
3区:楠岡由浩(4年)
4区:原悠太(4年)
5区:廣田陸(4年)
6区:浅川侑大(4年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・3区楠岡という明確な攻撃ポイント
・上級生が多く駅伝経験は豊富
・1年生松尾も世代トップクラスの逸材
帝京が上位へ行くためには、とにかく序盤です。
楠岡までに大きな差を作られず、3区で一気に順位を上げたい。
4区以降には駅伝経験者がいるため、前半で一桁順位、それも5~6位あたりに付けられれば、昨年以上の順位も十分に狙えるでしょう。
日本大学
■チームの現状と2026シーズンの評価
2026年箱根駅伝で10位に入り、出雲への出場権を獲得した日本大学。
最大の武器はもちろん、シャドラック・キップケメイです。
箱根2区で1時間5分42秒の区間2位。
さらに今年の関東インカレ10000mでも28分15秒16で優勝しています。
他大学と比較して6人全体のスピードではやや見劣りするものの、出雲ではエース一人の爆発力が順位を大きく変えます。
特に外国人選手を起用できる3区でキップケメイが大きく稼ぐ展開になれば、一気に上位へ顔を出せるでしょう。
■主力選手
・シャドラック・キップケメイ(4年)
…箱根2区2位、関東インカレ10000m優勝。日大最大のゲームチェンジャー。
・山口聡太(4年)
…箱根6区を経験。駅伝経験のある4年生として序盤を任せたい。
・天野啓太(4年)
…箱根7区9位。長い距離で安定しており、6区候補。
・首藤海翔(1年)
…世代トップクラスの1年生。短い出雲で起用されれば面白い存在。
■区間オーダー案
1区:山口聡太(4年)
2区:首藤海翔(1年)
3区:シャドラック・キップケメイ(4年)
4区:長澤辰朗(3年)
5区:石川悠斗(3年)
6区:天野啓太(4年)
■チーム全体の評価と出雲での強み
・キップケメイという明確なゲームチェンジャー
・楽しみな1区首藤
・好調な上級生を並べた4区以降の粘りが最大のポイント
日本大学にとっては非常に分かりやすいレースになると思います。
キップケメイに何位で襷を渡せるか。
そしてキップケメイが作った位置を、その後の3人がどこまで守れるか。
優勝争いをするには総合力でまだ差がありますが、3区終了時点で上位に顔を出す可能性は十分あります。
2026年出雲駅伝 優勝予想
2025年出雲駅伝の結果、2026年の箱根駅伝、そして春から秋にかけてのトラックシーズンを総合すると、今回の出雲駅伝は「三強+三校追随」の構図になっていると見ています。
本命候補は早稲田・國學院・中央。
そこへ青山学院・創価・順天堂が追う展開です。
出雲では45.1kmしかないため、箱根のように後半でじっくり取り返すことができません。
1区で出遅れないこと。
2区で前との差を広げられないこと。
そして3区のエース区間で確実に勝負すること。
この3点が優勝争いでは特に重要になります。
優勝候補(Sランク)
早稲田大学【本命】
今年は早稲田大学を本命にします。
理由は、前回2位の出走メンバー6人中5人が残っていること。
さらに山口竣平・鈴木琉胤・増子陽太と、2026年のトラックシーズンで学生トップクラスの走りを見せた選手を加えられる点です。
鈴木で流れを作り、山口がリードを広げて、工藤をアンカーまで残せる。
出雲の6区間に絞れば、非常に穴の少ない布陣だと思います。
優勝の条件:3区終了時点で國學院より前にいること
國學院大學【対抗】
3連覇を狙う王者。
何より、野中・辻原・尾熊という前回優勝の中心メンバーが残っていることが大きいです。
昨年と同じように3区野中、4区辻原でレースを動かせれば、今年も主導権を握る可能性は高いでしょう。
髙石が10000m27分台まで成長したことで、卒業生の穴もかなり埋まりました。
早稲田と比べれば5000mのスピードでわずかに劣る印象がありますが、「出雲で勝つ能力」という意味では最も完成されたチームです。
優勝の条件:野中・辻原で今年も先頭を奪う
中央大学【単穴】
純粋な走力なら優勝してもまったく驚きません。
岡田・藤田・三宅・栗村らを中心に、6人だけを選べば大学トップクラスの布陣になります。
最大の不安は昨年と同じ。
誰か一人が崩れたときに、出雲では取り返す時間がありません。
前回は1区岡田が区間賞を取りながら総合10位。
今年こそ6人全員が能力通りに走れば、優勝まで一気に届く可能性があります。
優勝の条件:6区間すべてで区間上位を続ける
表彰台争い(Aランク)
青山学院大学
箱根王者ですが、出雲という条件に限ればSランクの三校より少し下に置きました。
理由は前回5区・6区を連続区間賞で走った塩出・黒田朝日が抜けているためです。
ただ、小河原・飯田・折田が1年かけて成長し、平松も加わっています。
前回とは逆に1区から流れを掴めれば、優勝争いまで入ってくるでしょう。
創価大学
前回3位の1~3区がそのまま残るのは非常に大きいです。
特に小池は昨年以上。
菅野という新戦力も出てきました。
序盤だけならSランクの大学と互角に戦える可能性があり、3区終了時点で先頭付近にいればそのまま表彰台まで押し切る展開もありそうです。
順天堂大学
箱根3位の総合力は本物です。
吉岡・井上・山本・永原と学生駅伝で結果を残している選手が並び、6人の平均点が高いチーム。
出雲経験という意味では國學院や早稲田に劣りますが、大きな失敗なく繋げば上位争いへ自然と入ってくるでしょう。
上位争い(Bランク)
駒澤大学
例年の駒澤と比較すると、今年はチームの切り替わり時期。
谷中・桑田・小山という主力はいるものの、上位三校に比べると6人全体のスピードで少し差があります。
ただし、前回も谷中が1区2位。
序盤から流れに乗れば駒澤らしい駅伝を見せる可能性は十分あります。
城西大学
柴田がどこまでレースを動かすか。
ここに尽きます。
今年の柴田は昨年とは別次元の走力まで成長しており、1区で一気に抜け出すような展開になっても不思議ではありません。
さらにルト・アロンが3区で機能すれば表彰台争いまで見えてきます。
1桁順位争い
帝京大学
楠岡のスピードは間違いなく武器。
日本選手権5000m13分26秒92は出雲で大きな意味を持ちます。
ただし、優勝候補の大学と比べるとスピード勝負ではやや分が悪いか。
楠岡で順位を上げ、その位置を最後まで守れるかがポイントです。
日本大学
キップケメイの力はもちろんトップクラス。
3区に置けば区間賞候補です。
ただし、前後の区間を含めた6人の総合力では上位校との差があるため、まずは一桁順位を狙う展開になると予想します。
そして今回、個別分析の対象外ではありますが、アイビーリーグ選抜にも注意が必要です。
前回4位。
今年も強力なメンバーがエントリーされているため、日本勢だけで表彰台を独占できるとは限りません。
その存在まで考えると、4~8位あたりはかなり混戦になりそうです。
優勝予想は早稲田大学とします。
國學院の3連覇もかなり現実的だと思っていますが、前回2位だった6人のうち5人が残り、そこへ2026年にトラックで結果を残した選手を追加できる早稲田の上積みを評価しました。
特に鈴木琉胤・山口竣平・増子陽太というスピード型の選手たちを、出雲の短い区間に配置できるのは大きな強みです。
まとめと展望
2026年の出雲駅伝は、近年でもかなりハイレベルなスピード勝負になりそうです。
優勝候補の中心は、早稲田大学・國學院大學・中央大学。
早稲田は前回2位メンバーが大量に残り、國學院は3連覇を狙う経験値、中央は大学トップクラスの持ちタイムを武器に頂点を狙います。
そこへ箱根王者の青山学院大学、前回3位の創価大学、箱根3位の順天堂大学が続く構図。
さらに柴田侑を擁する城西、若いチームへ切り替わる駒澤、楠岡由浩というスピードランナーを持つ帝京、キップケメイを擁する日本大学にもそれぞれ明確な見どころがあります。
その中でも今回、最も重要になるのは1区から3区でしょう。
出雲は箱根のように「後半で取り返す」が難しい大会です。
前回の青山学院大学が5区・6区を連続区間賞で走りながら7位だったことを見ても、序盤に失った時間の重さがよく分かります。
「1区で誰が仕掛けるのか」
「2区の5.8kmでスピードランナーがどこまで差を作るのか」
「3区のエース対決で野中・山口・吉岡・ムチーニ・キップケメイらがどんな位置で襷を受けるのか」
そして、最後の10.2kmを任されたアンカーたちが、出雲ドームまでどのような勝負を繰り広げるのか。
2026年の大学駅伝シーズンを占う最初の大一番。
今年もわずか45.1kmの中に、各大学の戦略と現在地が凝縮されたレースになりそうです。




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