こんにちは。今回は単発記事です。私が長年箱根駅伝を見て得た気づきを紹介します。題して「箱根駅伝こぼれ話~ルーキーと8区の不思議な関係」です。
箱根駅伝でルーキーが多く走る区間といえば、かつては最短距離だった4区や、スピード区間で比較的走りやすい3区や7区が主でした。しかし、4区の距離延長や、3区7区の準エース区間化に伴い、これらの区間に主力が投入されることが増えてきました。
その反動として、8区にルーキーが投入されることも増えてきました。しかし、8区は9区や10区と比べると距離は短いものの、後半に難所の遊行寺の坂が待ち受けるタフなコース。ルーキーが好結果を残すのは難しいですが、一方で私はこの区間から翌年以降出世していく選手が多いことに気が付きました。
それを証明するために、過去5年間ルーキーで8区を走った選手の結果とその後を紹介します。
○第92回大会
山本修二(東洋大)区間9位
先頭の青山学院大を約2分後から追いかける優勝争いでの登場でしたが、前を行く下田の背中は遠くなるばかり。さらに2分差をつけられてとどめを刺される悔しい結果となりました。
しかし、ここから大きく成長。2年次には2区へ抜擢、3年次には3区区間賞、4年次には再び2区で首位争いを行うなど、東洋大のエースとして大活躍を見せました。
苗村隆広(中央大)区間17位
同期の堀尾を差し置いて1年次から起用されましたが、このときは区間17位と苦しい結果に。しかし、3年次には上位の流れの中で4区を粘走、4年次には復路のエース区間9区で区間8位の好走と、ロード型の選手として存在感を発揮しました。
土井大輔(法政大)区間18位
このときはチームが下位に沈んだこともあって土井も上手くいきませんでした。
ただ、2年次には4区9位の好走、3年次には適任者不在の1区で耐え凌ぎ、4年次には7区5位の快走で上位シードを決定づけるなど、ユーティリティプレイヤーとしてチームに貢献しました。
○第93回大会
米満怜(創価大)区間3位
2度目の出場となった創価大でも一際目立つ区間3位の好走。
この後チームとともに少し足踏みしますが、4年次にはチームを3度目の箱根路に導き、自身も1区区間賞の大活躍。創価大史上最高のエースとして名を残しました。
青木涼真(法政大)区間9位
1年次からシード争いの中でしっかり流れを継続させる好走を見せた青木。翌年からはさらに出世することに。2年次には5区区間賞と大躍進、その後も山のスペシャリストとして法政大を牽引し続けました。
中川翔太(日体大)区間12位
上級生に強力な小松世代、小町世代がいる中で出場を果たした中川。上位の流れで見事に走りました。その後はアンカーに主戦場を移し。特に2年次には区間3位の好走で順位を2つ上げています。
太田智樹(早稲田大)区間14位
前年の山本(東洋大)と同じく、優勝争いで下田(青山学院大)に挑み、跳ね返されました。そして。太田も2年次から3年連続で花の2区に起用されるなどエースとして独り立ち。特に4年次には堂々と先頭争いを戦う頼もしい姿を見せました。
小坂太我(日大)区間20位
前走者に引き続き区間最下位と苦しい結果に。その後は下級生の台頭もあって、主要大会では2年次に箱根予選に登場したのみでした。
○第94回大会
浅井崚雅(東洋大)区間7位
前年の太田(早稲田大)、前々年の山本(東洋大)と同じく、優勝争いで下田(青山学院大)に挑み、跳ね返された選手です。彼らのようにエースへと羽ばたきたいところでしたが、その後は2年次に全日本4区に出場したのみ。最終学年での反撃に期待したいところです。
佐伯涼(東京国際大)区間17位
初めての箱根駅伝は下位での走りとなりましたが、今回は往路の主要区間4区に登場。慣れない首位でのスタートにも関わらず、青山学院大に交わされたのみと責務をしっかり果たしています。
○第95回大会
飯田貴之(青山学院大)区間2位
いきなり単独走に関わらず区間2位で走っているあたり、飯田はモノが違うなと思わせていました。そして2年次にはさらに逞しく成長。前任者が不調で外れた5区に回ると、後方からの山のスペシャリストの追撃から逃げ切る素晴らしい走りを見せました。
鈴木宗孝(東洋大)区間3位
小松(東海大)との首位争いには敗れたものの、鈴木自身もかなりハイレベルなタイムで走っています。その後の飛躍が期待されましたが、2年次は故障で三大駅伝への出場はなし。来季の逆襲が待ち遠しいです。
鎌田航生(法政大)区間7位
1年生ながら5位をしっかりキープする安定感のある走りを見せていました。2年次には故障した佐藤に代わってエース区間を担当。2区を任された箱根では単独最下位を走りながらも粘走しています。
太田直希(早稲田大)区間10位
シードラインを追いかける集団の中で流れをつなぐ走りでしたが、結果を考えるともっと攻めたかった、という印象でした。2年次にも同じ8区に登場。シードライン付近で襷を受けるのは一緒でしたが、今度は区間4位の快走で大きく貯金を作ってくれました。
殿地琢朗(國學院大)区間12位
鎌田(法政大)との5位争いからは後れを取ったものの、シードを狙う動きとしては十分に働いてくれました。2年次には10区に登場。2人抜きで目標の3位を獲得する大活躍を見せました。
安田響(神奈川大)区間15位
総合18位に沈んだチームではありましたが、集団走の中で上手く揉まれる走りができました。2年次にも同じ8区に登場し、区間12位と確実に前進していることを証明しました。
片根洋平(大東文化大)区間20位
実力派ルーキーとして期待されていましたが、このときは区間20位と厳しい結果に。それでも2年次は全日本予選4組21位、箱根予選チーム内3位と主力として目立ち始めました。箱根予選敗退したチームの復活を導く役割を期待されています。
こうして並べてみるといかに8区から多くのルーキーが飛躍しているかということがわかると思います。そして、みなさんに伝えたいことは、今回8区を走ったルーキーにも注目してほしいということです。
・前田義弘(東洋大)
・櫛田佳希(明治大)
・西澤侑真(順天堂大)
・清水悠雅(国士舘大)
・佐々木虎太郎(拓殖大)
・中園慎太朗(法政大)
・若山岳(日大)
いずれの選手もこれからチームを引っ張っていくポテンシャルを持っています。ここからの飛躍に期待してみてください。
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