こんにちは。箱根駅伝に出場したチームの戦略と結果について1校ずつ振り返るシリーズ。今回は帝京大の箱根駅伝について振り返ります。
往路：6位
復路：3位
総合：4位
ハーフマラソン中心の強化で恐ろしいくらい多くの選手が台頭してきた帝京大（ちなみに昨季も同じことを言っていました笑）。出雲、全日本ではやや消化不良でしたが、全大学中トップクラスの層の厚さが活かせる箱根では、優勝を目指して戦いに挑みました。
〇戦略
文句なしに強いオーダーが組めました。
往路は1区に今季急成長した小野寺、2区、3区はダブルエースの星、遠藤で4区にはオールラウンダーの岩佐。5区は2年ぶり再登板の平田とこれ以上ないくらいの5人を並べました。
復路も前回好走したスピードランナーの島貫を6区に置くと、7区からはハーフの距離で強さを発揮する選手をこれでもかと並べました。
捻りなしの完璧でベストなオーダーで、どこまで戦えるかという勝負でした。
〇結果
1区小野寺が終盤まで先頭集団で勝負して8位と絶好のスタートを切ると、2区星も敢えて単独走を選択して順位を3つ上げる好走。3区遠藤は今季大暴れしていた田澤（駒澤大）すら上回る区間新、4区岩佐も名取（東海大）に最後まで食らいつくなど、ここまでは優勝も狙える位置で完璧に推移します。
しかし、5区平田が区間18位と思うように伸びず、往路は先頭と5分59秒差の6位で終えることとなりました。
復路も6区島貫がスピードに乗り切れず、8位まで順位を落としてしまいます。上手く流れに乗れないな～と思っていましたが、ここから帝京大の真価が発揮されました。
7区中村が流れを再セットすると、8区鳥飼から10区吉野までいずれも区間5位以内の快走で猛反撃。順位もどんどん上がっていき、最終的には昨年を上回る4位でゴールしました。
〇感想
帝京大がワンランク上の強さを身に着けたことを感じさせる好レースでした。
これまで苦手とすることもあった序盤区間は当然のように上位に食らいつき、かつては流れをキープすることに終始していた復路の平地区間では、今や全区間が攻め込むポイントとなっています。
そして、高校時代からスターだった選手はこの中には誰一人としていない、というのが帝京大の強い点です。
特に10区2位の快走を見せた吉野は練習生からコツコツ力をつけてきた選手です。そんな選手が強豪校の選手たちを颯爽と抜き去るのです。
中野監督の育成力は帝京大の宝です。
〇今後に向けて
岩佐、平田、島貫、小森、吉野と今回走った選手のうち、5選手が卒業します。彼らは間違いなく強力な選手だし、普通のチームなら大幅な戦力ダウンなのですが、帝京大ならば来年の今頃には穴を埋めて余りあるほどの戦力が整っているはずです。
あとは今回苦戦した山をどう攻略するか、問題はここだけです。
いよいよ優勝候補のチームも本格的に脅威を感じるフェーズに入ってきました。
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