箱根駅伝振り返り2023～明治大～

こんにちは。箱根駅伝に出場したチームの戦略と結果について1校ずつ振り返るシリーズ。あの興奮をもう一度！

今回は明治大の箱根駅伝について振り返ります。

往路：12位

復路：13位

総合：12位

4年生の富田と小澤が立派なエースに成長して箱根予選は2位通過。3年ぶりのシード獲得を目指し、攻撃力の高い選手たちを揃えて箱根路に臨みました。

〇戦略

出遅れを避けるため、富田、小澤と主力を1区2区に並べてきました。ここは10位前後で繋げればというところ。児玉、櫛田と主力の経験者が外れたこともあって、3区から6区まで思い切って下級生を並べてきました。

7区に好調の杉を挟んで、8区加藤がシード争いの切り札。9区10区は競り合いになっても優位を取るため、下條、漆畑と4年生を並べました。

序盤を上手く凌げるか、山を含めた若手選手たちがどれだけ通用するか、終盤の4年生がしっかり締められるか、このあたりが気になるレースでした。

〇結果

1区富田は集団の中で冷静に力を貯めて、冷静なラストスパートで区間賞獲得と最高のスタート。2区小澤も後方からの襲撃に遭う難しい展開ながら、13位と持ちこたえます。ここからの展開が大事な3区、森下が6人抜きで7位浮上と序盤は完璧な滑り出しを見せました。

4区尾崎、5区吉川はタフなコースで順位を下げますが、往路は12位と十分に復路で勝負できる位置につけました。

6区堀はルーキーながら、ラストにペースアップする落ち着いた走りでグッとシードラインに近づくと、7区杉が区間賞獲得の快走で一気にシード圏内に食い込みます。8区加藤が9位まで順位を上げて、シード争いをさらに優位を進めますが、9区下條がまさかの失速で12位に転落。10区漆畑も最後に力尽きて順位を上げられず。総合12位と悔しいフィニッシュとなりました。

〇感想

今回は明治大にとって、いいところはかなり多いレースとなりました。1区富田、7区杉が区間賞獲得。3区森下が6人抜き。5区6区を走ったルーキーたちもよく踏ん張りました。個々で見たときに、収穫は多かったと思います。

それでも、シードには手が届きませんでした。

エース格の児玉や櫛田が走れなかったことは大きかったですが、それでもシード権を取れるだけの布陣ではあったと思います。

激戦の中でシードラインに食らいついていましたが、あとちょっと手が届きませんでした。

明治大でもこのような状況に追い込まれるほど、今の箱根駅伝のレベルは高くなっています。

その中で、前回は出遅れた前半で今回は十分に戦えました。山も若手選手で切り抜けられました。こうして一つずつ課題を解決していった先に、再びのシード獲得が見えてくるのでしょう。

箱根駅伝の厳しさと明治大の成長が伝わる今回のレースでした。

〇今後に向けて

今回走った富田、小澤、加藤、下條、漆畑。今回は走れなかったものの、櫛田、杉本と明治大を支えてきた世代が卒業します。来季は作り直しのシーズンとなるでしょう。

でも、児玉や森下など強力な次期エースが育っています。繰り返しになりますが、吉川、堀と若くして山を経験した選手もいます。杉も今度は前半区間に乗り込んでくるかもしれません。

シード権からはしばらく離れてしまっていますが、ポテンシャルの高いチームであることは間違いありません。