こんにちは。
今年も箱根駅伝が終わってしまいました。感動するシーンが盛りだくさんの面白いレースでしたね!
今回からこのブログではしばらく箱根駅伝について振り返っていきたいと考えております。
第一弾となる今回は題して「勝手に箱根駅伝大賞2024」です。いろんな賞を勝手に設定して勝手に表彰する、そんな企画です。あくまで当方の独断と偏見に基づきますのでご理解のうえ、読んでいただければと思います。
【MVP】
黒田朝日(青山学院大2年) 2区区間賞
最も青山学院大の優勝に貢献した選手は黒田だと考えています。篠原、鈴木、佐藤と超強力な三本柱を1区から並べてきた駒澤大が、案の定1区でトップスタート。このまま流れを持っていかれかねないところ、黒田が7人抜きの区間賞を獲得。何より大きかったのは相手の精神的支柱である鈴木相手にタイムで13秒上回ったこと。ここで駒澤大優位の流れをひとつ止めて、3区太田の射程圏内に入れられたことが優勝への大きなステップになりました。
【リベンジ賞】
若林宏樹(青山学院大) 5区2位
1年次には5区で往路優勝のテープを切った若林。このまま4年間山のスペシャリストとして活躍するかと思いきや、前回は直前の体調不良で出走できず。優勝を逃す一因となってしまいました。今回は2位と1分26秒差の1位で襷を受け取ると、攻めの走りを展開。最後の下りも最速タイムでカバーすると、区間2位ながら区間記録を更新して、2位駒澤大との差を2分半以上に拡大しました。
この走りが優勝を大きく手繰り寄せたのは間違いありません。走れなかった前回の分の思いも乗せた見事なリベンジでした。
【新人賞】
辻原輝(國學院大1年) 4区4位
國學院大は順調に行けば伊地知、平林、山本、上原、青木と往路は盤石のメンバーがいましたが、山本が故障でメンバー外に。空いた1席をルーキーの辻原が担うことになりました。4区は1年生には難しい上り基調なタフな区間でしたが、松山(東洋大)に終盤まで食らいついて区間4位でゴール。タイムも61分台とかなりの高水準。エース欠場の影響を最低限まで抑えたこの走り。國學院大のルーキー旋風の口火を切ってくれました。
【最初で最後の箱根駅伝賞】
辻文哉(早稲田大4年) 3区7位
入学してからずっとレギュラーを掴めていなかった選手が、最後のチャンスを掴んで羽ばたく。そんな姿を見ると心が熱くなります。この賞はそんな、4年生で初めて箱根駅伝を走った選手の中で最も印象深い選手に贈る賞です。
辻は1年次の全日本で1区6位と好走した経験のある選手。そこから将来のエース格として期待されてきましたが、その後は故障もあってか一度も駅伝を走ることができず。勢いのある下級生も加入してきたこともあり、再び辻が大舞台で走る姿を見ることは難しいかと思われていました。
それでも辻は最後の最後にチャンスを掴みました。
しかも、任された区間は3区。エースの伊藤が体調不良で走れなかったこともあって、往路の重要区間を走ることになったのです。
2区山口の激走もあって4位と絶好の位置で襷を受けた辻。ほぼ同時に走り出した小林(東洋大)、安藤(日大)と集団走を組みながら、冷静にレースを進めていきます。最後の着差争いに敗れて7位まで順位を下げますが、その後ろのシードラインからは1分以上の差を付けました。
辻のこの走りで早稲田大は往路5位の流れに乗ったのは間違いありません。
最初で最後の箱根駅伝で見せた、素晴らしいレースでした。
【ゲームチェンジ賞】
小野隆一朗(帝京大4年)7区2位
この賞は悪い流れを止めて、いい流れを作り出した選手に送る賞です。
帝京大は往路12位ながら、シードラインとは僅か6秒差。とはいえ、シード争いをするチームがかなり多い状態で復路を走り出しました。6区大吉もタイムは悪くないものの、ライバル校が快走した影響で10位との差は1分50秒近くに。
何よりみんな前の方に行ってしまった中でのレースを強いられる難しい展開となりました。
その中で小野が区間2位の快走を披露。10位の中央大が区間賞を獲得したため、タイム差は縮まらなかったものの、その前のチームとの差を大きく圧縮し、8区での逆転に繋がりました。
また、前方の選手たちと一緒に走れるポジションに上げたことが大きいです。
もし小野が失速していたら、シード争いに加われないまま流れてしまっていた可能性も高かったと思います。
今まで1区しか走ってなかった小野が走った初めての7区。混沌のシード争いを優位に進める見事なゲームチェンジでした。
【監督賞】
原晋(青山学院大)
駒澤大1強と言われていた今大会。青山学院大が勝つためには佐藤、太田、黒田の3選手で攻め込む体制が必要でした。さて、彼らをどう配置するか。2区黒田、3区太田は既定路線として、佐藤を1区か4区どちらで起用するかに注目が集まっていました。
安全に上位でスタートするなら佐藤は1区に起用すべきですが、それだと4区での攻め手に欠ける可能性がある。一方で佐藤を4区に起用すると、1区がハイペースの展開となったときに大きく出遅れるリスクがある。
一長一短の選択でしたが、原監督は調子の良さも買って荒巻を1区に起用しました。
案の定、駒澤大が当日変更で篠原を起用してハイペースになった1区でしたが、荒巻も見事に食らいついて射程圏内で中継。3区で逆転して、4区まで残しておいた佐藤でリードを広げる展開は原監督の思い通りだったでしょう。
勝利のための針の糸を通すような采配は本当に見事でした。
【皆勤賞】
■佐藤一世(青山学院大)
1年:4区4位
2年:8区2位
3年:7区7位
4年:4区区間賞
■鈴木芽吹(駒澤大)
1年:5区4位
2年:8区18位
3年:4区3位
4年:2区2位
■伊地知賢造(國學院大)
1年:8区9位
2年:2区12位
3年:5区7位
4年:1区17位
■山本龍神(国士舘大)
1年:1区18位
2年:8区14位
3年:3区20位
4年:1区22位
■吉居大和(中央大)
1年:3区15位
2年:1区区間賞
3年:2区区間賞
4年:2区15位
■三浦龍司(順天堂大)
1年:1区10位
2年:2区11位
3年:2区12位
4年:1区10位
■石井一希(順天堂大)
1年:4区5位
2年:4区2位
3年:4区15位
4年:5区13位
今年の4年生の箱根駅伝皆勤賞は7名でした。
この世代は順風満帆に推移できた選手ばかりではありませんが、みんな4年間かけて逞しく成長しました。高校時代世代トップだった佐藤が最後に区間賞を獲得したのも感慨深いですね。
これで勝手に箱根駅伝大賞2024は終わりにします。
次回からは1校ずつ箱根駅伝での戦略と実際のレースの展開について振り返っていきたいと思います。23校全てやりますので長丁場になりますが、箱根駅伝の余韻に浸り尽くしましょう!
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