こんにちは。今回からは箱根駅伝に出場したチームの戦略と結果について1校ずつ振り返っていきます。あの興奮をもう一度！
まずは13年ぶりの総合優勝を果たした駒澤大の箱根駅伝について振り返ります。
往路：3位
復路：2位
総合：1位
今季はゴールデンエース田澤と勢いづいた下級生、叩き上げの4年生によるバランスのいいチーム構成で全日本大学駅伝を制した駒澤大。
ライバル校は強力でしたが、大学駅伝二冠に向けて箱根路に臨みました。
〇戦略
経験豊富な4年生からは3区の小林のみ。若手中心のオーダーで臨みましたが、谷間の世代と呼ばれた3年生が3人も起用されるなど、戦前はベストオーダーとは程遠いのでは？とも噂されました。
細かくオーダーを見ると、加藤を起用できなかった1区は高校駅伝での実績があるルーキーの白鳥に託す形に。2区田澤と3区小林、期待を込めて5区に起用した1年生鈴木の3選手で稼いで往路優勝を目指し、復路は調子のいい選手を並べてなんとか逃げ切れれば。
そんなオーダーに見えました。
〇結果
1区白鳥が15位ながら先頭との差を1分以内に収めると、2区田澤が7人抜き、3区小林が5人抜きとぐんぐん順位を上げていきます。
そして5区鈴木は東洋大の宮下に最後まで食らいつく素晴らしい走りで往路終了時はトップの創価大から2分21秒差の3位という好位置でした。
とはいえ、総合優勝を目指すためにはガンガン前との差を詰めていかないといけない状況。
そんな中で6区花崎が57分台の区間賞と素晴らしい走りで一気に前との差を詰めます。その後は一進一退でしたが、9区で創価大の石津がものすごい快走を披露して3分19秒の大差がつくことに。
さすがに万事休すかと思われましたが、10区石川が諦めずに断トツ区間賞のペースで追いかけ続けます。
最後は創価大の失速もあり、ゴール2ｋｍ手前で奇跡の大逆転。
13年ぶりの総合優勝を果たしました。
〇感想
全日本と同じく、アンカー区間でのワンチャンスをものにして優勝を果たすことができました。
この勝負強さは大八木監督の執念なのでしょうか。
ただ、この逆転を呼び込んだのは間違いなくそれまで繋いできた選手たちの意地と粘りです。
特に谷間の世代と呼ばれた3年生は花崎、佃、石川いずれも創価大との差を詰める素晴らしい走りを見せました。
経験豊富な4年生、大エースが牽引する2年生、黄金世代の1年生と他の学年は強力な選手だらけ。その中でも腐らずコツコツ努力を続けてきたからこそ、追いかける苦しい展開の中でも自分の力を発揮できたのではないでしょうか。
全員で諦めずに勝ち取った素晴らしい優勝でした。
〇今後に向けて
今回走ったのは3区の小林のみ。まだまだ持ちタイムのいい下級生が控えていることを考えると、戦力ダウンは最小限で抑えることができます。
ただ、今回の優勝も他校のミスに助けられた部分は多少なりともありました。
村山謙太、中村匠吾がいた時代の全日本大学駅伝のように、他を圧倒するような勝ち方をできるようになるのが今後の目標になるでしょう。
もちろん、それができるポテンシャルを秘めたチームです。
今季はそんな1ステージ上を目指した戦いを見せてくれるでしょう。
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