そんなに細かすぎない箱根駅伝ガイド~1区&2区&3区編~

箱根駅伝

こんにちは。今回からは「そんなに細かすぎない箱根駅伝ガイド~各区間紹介編~」です。今回は箱根駅伝の1区から3区についてコースの特徴や見どころを紹介したいと思います。

~1区~

コース:大手町読売新聞社前→鶴見中継所

距離:21.3km

217.1km、10時間をゆうに超える長い戦いの幕開けとなる区間です。スタート時の号砲が鳴る瞬間には一年に一度の緊張感があります。

比較的短い距離で起伏も少なく、気温も低いため全10区間で最も走りやすいコースであると言えるでしょう。しかし、1区には各チームが誇る強力な選手が登場します。なぜなら、1区の出遅れは致命傷となり得るからです。1区での1分の遅れは他区間での2分の遅れと同じと言われることもあります。

そして、駅伝とは流れのスポーツです。1区で出遅れるとほとんどの場合、2区以降の選手も本来の力を発揮できずに低空飛行の駅伝となってしまいます。

前回の箱根駅伝でも早稲田大や明治大といった強豪校が1区で区間2桁と出遅れると、そのまま最後まで流れを取り戻せずにシード落ちとなってしまいました。

全日本ではシードを獲るような強いチームにおいても、1区の出遅れは致命傷となるということです。

ここまで説明してきた1区の重要性を踏まえて、この区間に起用されることが多いのは以下のような選手です。

1.スピード系セカンドエース

例:目片(青山学院大)、葛西(創価大)

2.エース

例:吉居大(中央大)、三浦(順天堂大)

3.期待のルーキー

例:青木(國學院大)、緒方(東洋大)

1区はスローペースになることもありますが、前回はスタートから吉居大(中央大)が飛び出して超高速レースになりました。ハイペースからこぼれてしまうと致命的な差がついてしまうので、速い展開に耐えられる強い選手を置きたいところですが、一方で差がつきづらいスローペースになるともったいない。他校の動向も読みながら、どんな選手を起用するのか見極めが難しくなっています。

1区を楽しむポイントはとにかく自分の応援しているチームの選手が出遅れないように祈ることです。15kmまでに先頭集団から離れてしまうとやっぱり結構な大差がついてしまいます。ハイペースになったときはどんどん選手が脱落していくので本当に心臓に悪いです。スローペースになったときは六郷橋という起伏の大きな橋のあたりでスパートをかける選手が現れるので注目してみてください。

~2区~

コース:鶴見中継所→戸塚中継所

距離:23.1km

起用されることの多い選手:エース

華の2区です。よっぽどの事がなければチームで最も強い選手が登場します。タフなコースで学生最高峰の戦いが見られる楽しい区間です。

コースの特徴としてはまず距離が長いこと、そして終盤に権太坂、戸塚の壁と呼ばれる上りが待ち受けていることです。序盤から突っ込まないと流れに乗れないのですが、それで最後に一番の難所が待ち構えているという理不尽なコースです。

スタミナが尽きてふらふらになりながら中継所にたどり着く選手もいます。

2区の見どころは主に2点あります。

1つ目は「ごぼう抜き」です。1区の後でまだ差がない状態でスタートすること、2区の距離が長いことから頻繁にごぼう抜きが見られます。ちなみに過去最高のごぼう抜き記録はダニエル(日大)の20人抜きです。22位から2位まで順位を上げるアンビリーバブルな走りを見せました。さらに訳がわからないのはそのときのダニエルは区間賞を獲れなかったということです。

ダニエルが唯一抜けなかったモグス(山梨学院大)はその時、区間記録を樹立する走りを見せ、我々駅伝ファンにとっては「神」のような存在になりました。

2つ目の見どころは「留学生VS日本人学生のエース」です。今回2区への出走が予想される留学生はヴィンセント(東京国際大)、ムルワ(創価大)、キムタイ(城西大)、カマウ(国士舘大)、ムルア、ムトゥク(山梨学院大)などです。

一方、日本人学生のエースとして田澤(駒澤大)、近藤(青山学院大)らが彼らに挑みます。

ちなみに前回は留学生5人を差し置いて田澤(駒澤大)が区間賞を獲得。その後、世界陸上10000m代表の座も掴んでおり、まさに「箱根から世界へ」を体現しています。

~3区~

コース:戸塚中継所→平塚中継所

距離:21.4km

遊行寺の坂を下る以外は比較的平坦で走りやすいコースです。

タフな選手は2区や4区に回ることが多い一方、スピード型の選手が最も躍動できるのがこの3区であり、序盤出遅れたとしても一気に巻き返せる可能性がある区間となっています。

前回は青山学院大(太田)が先頭の駒澤大を抜き去って首位浮上。その後一度も2位以下を寄せ付けることなく優勝。序盤出遅れた順天堂大も伊豫田が17位から10位に浮上させて準優勝への流れを作っており、この3区が箱根駅伝全体の流れを決めるような区間となりました。

3区に起用されることの多いのは以下のような選手です。

1.スピード系セカンドエース

例:伊豫田(順天堂大)、山本(國學院大)

2.チームNo.1ルーキー

例:佐藤(駒澤大)、山崎(日体大)

3.日本人エースが強いチームの留学生

例:ヴィンセント(東京国際大)、キサイサ(専修大)

1区と起用される選手のタイプが似ており、3区で走った選手が翌年1区にコンバートされるケースもよくあります。

3区の見どころはなんといっても「スピードスターの競演」です。3区は箱根駅伝の平地区間の中では最も走りやすくスピード感のある区間です。スピードのある選手が輝く舞台なので気持ちのいいごぼう抜きが見られます。

前回は伊豫田(順天堂大)が7人抜き、山本(國學院大)が6人抜きの快走を見せています。

一方、序盤出遅れたチームはこの区間で巻き返せないと4区以降で追い上げることは難しくなってきます。

追い上げが間に合う最後の区間として、緊張感のある戦いが見られるはずです。

今回はここまでにします。いかがだったでしょうか。次回は4区と5区のコースの特徴や見どころを紹介します。また読んでください!

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