100倍楽しく出雲駅伝を見る方法

こんにちは。今年も待ち詫びていた駅伝シーズンが目前に迫ってまいりました。

今回は三大駅伝の開幕戦、出雲駅伝を100倍楽しむための簡易ガイドを用意しました。出雲駅伝は2年ぶりの開催ということで、みんな楽しみにしているのではないでしょうか。テレビ観戦する際のお供としてこの記事を利用していただけると嬉しく思います。

◯基本データ

・名称

第33回出雲全日本大学選抜駅伝競争（通称:出雲駅伝）

・日時

10月10日（日）12:05スタート

※例年よりスタートが1時間早まっています。

・コース

出雲大社正面鳥居前→出雲ドーム

6区間45.1km（詳しくは後述）

・出場チーム

日本全国より選抜された20大学（関東からは前回の箱根駅伝の上位10チーム）

※今回はアイビーリーグ選抜の参加はないです。

〇概要

出雲駅伝は全日本大学駅伝、箱根駅伝と並ぶ三大駅伝のひとつとして有名です。特徴としては区間、距離ともに三大駅伝の中で最も少ないことが挙げられます。したがって当駅伝ではエース力とスピードがレースの流れに与える影響が大きく、最長アンカー6区での大逆転も数多く発生しています。

また、駅伝シーズンの開幕戦ということもあって、優勝を目指して全力メンバーで臨むチームがある一方、全日本や箱根とは違ってシード権が無い為、経験の少ない選手の起用や今季成長した選手の初めての主要区間への抜擢など、いろいろと試すようなオーダーを組むチームも現れます。

◯区間紹介

主要区間は1区、3区、6区と言われています。

・1区（8.0km）

駅伝シーズンの幕開けとなる区間です。特に難易度が高いコースではありませんが、距離の短い出雲駅伝において出遅れを取り戻すのは至難の業であるため、重要な区間となっています。前回は北海道学連選抜のグレ（札幌学院大）が断トツの区間賞を獲得。関東勢は2位以降で団子になって繋ぎ、あまり差のつかない区間となりました。

1区に起用される選手は大きく3タイプに分かれます。

1.キレッキレのスピードランナー

　例：唐澤（駒澤大）、三浦（順天堂大）

2.勢いのある1年生

　例：若林（青山学院大）

3.エース（経験を積ますチームにありがち）

　前回で言う赤崎（拓殖大）が該当します。

・2区（5.8km）

距離の短い出雲駅伝の中でも最短の区間です。しかし、距離は短いと言えどもレースの趨勢を決める大事な区間です。思い切って前半から突っ込んだ選手が好成績を残しています。

2区に起用される選手はだいたい3タイプに分かれます。

1.期待のルーキー

　例：石田（東洋大）、篠原（駒澤大）

2.超スピード型の主力

　例：伊豫田（順天堂大）、遠藤（帝京大）

3.敢えてのエース

　前回で言う藤曲（順天堂大）が該当します。

青山学院大はこの区間に滅法強く、4大会連続で区間賞を獲得（田村→田村→鈴木→岸本）しています。

・3区（8.5km）

“華の3区”です。この区間にはエースしか出てきません。3区終了時にどれだけアドバンテージを取れているかが優勝争いのカギとなってきます。ちなみに前回は青山学院大（吉田圭）、國學院大（浦野）、駒澤大（田澤）の先頭争いに後ろから東洋大（相澤）が追いつく熱い展開になりました。最後は当時1年生だった田澤がスパートをかけて先頭で襷渡し。三大駅伝デビュー戦にして、学生長距離界を代表するエースをまとめて倒した田澤に陸上界がざわつきました。

・4区（6.2km）および5区（6.4km）

ここがつなぎ区間です。ただ、優勝争いにおいては選手層の厚さが明確に出る2区間です。優勝争いをしていないチームにとっては駅伝の経験値を積むための区間となることが多いです。4区および5区に起用される選手はだいたい2タイプに分かれます。

1.駅伝の出走が初めての選手

2.大学での実績に乏しいエース候補の下級生

前回は当時2年生だった宮下（東洋大）が4区で三大駅伝デビュー。優勝争いからはやや後退しましたが、この経験から箱根では5区区間賞を獲得。東洋大のエースへと駆け上がっていきました。

・6区（10.2km）

最重要区間です。アンカー区間にして最長区間、何度も大逆転劇が起きています。トップと30秒から1分差くらいであれば逆転が可能であると見てください。ただ今回はヴィンセント（東京国際大）がいるため、1分半から2分ほど差があっても気が抜けないでしょう。

6区に最も走力の高い選手を置きたいところですが、5区までに差が開きすぎると死に札となってしまうことから、なかなかそういった配置がしづらいという背景もあります。それでも6区にエースを置けているチームは本当に優勝が狙えると見ていいでしょう。

ちなみに前回は國學院大（土方）が4位でスタートしたところから猛追を開始、ゴール直前には先頭の駒澤大（中村大聖）まで交わして大逆転優勝を果たしました。

6区に起用される選手はだいたい2タイプです。

1.大エース（置けたら勝ち）

　例：ヴィンセント（東京国際大）、田澤（駒澤大）