こんにちは。箱根駅伝に出場したチームの戦略と結果について1校ずつ振り返るシリーズ。今回は明治大の箱根駅伝について振り返ります。
往路：5位
復路：4位
総合：6位
好選手が揃いながらも近年低迷が続いていた明治大。今季は大黒柱の阿部を筆頭に大半の4年生が故障で戦列を離れている中でも下級生が奮闘。阿部も何とか間に合い、今度こそはと箱根駅伝に挑みました。
〇戦略
花の2区を阿部でも小袖でも手嶋でも鈴木でもなく、1年生の加藤に託すというビッグチャレンジに出ました。全日本も走っていないのですが、山本監督は彼の上尾ハーフの走りを見て、いけると直感したそうです。
そして、2区をルーキーに任せた分、他の区間で攻めるポイントをたくさん作ることができました。
特に予選会チームトップの手嶋を3区、総合力の高い鈴木を5区、大黒柱の阿部を7区に回せたのはかなり強いです。
これらの区間で上昇し、他の区間は区間10位前後で繋げれば、という戦略で臨みました。
〇結果
1区小袖が10位と無難にスタートを切ると、2区加藤が相澤（東洋大）、伊藤（東京国際大）のランニングデートに巻き込まれながらも区間10位と素晴らしい走り。この時点で「明治大強いぞ」となりました。
この勢いに乗って3区手嶋が5人抜き、5区鈴木が4人抜きとそれぞれ期待通りにブーストをかけて往路は5位でフィニッシュ。完璧でした。
復路は６区前田が58分台と快調なスタートを切ると、7区阿部が区間新の快走で4位まで浮上。最後は10区河村が順位争いで敗れて6位でのフィニッシュになりましたが、久しぶりのシード権獲得の喜びの方が大きいでしょう。古豪復活を印象づけました。
〇感想
近年の明治大は好選手が揃っていても、故障やコンディション不良などで本来の力を出し切れないパターンが続いていました。今季も4年生の足並みが揃わず、同じパターンを繰り返してしまうのではないかと危惧していました。
しかし、彼らの穴を埋めて余りあるほど下級生が育っていました。特に手嶋は箱根予選までほとんど名前を聞かなかった選手です。そんな選手がいきなり秋からスピードエースとして活躍し始めるのだから、チームに勢いが出て当然なのです。だからこそ、故障明けの阿部を無理に往路に起用せず、7区に回すことができました。
これは山本監督の育成力、そして古豪復活へかける執念の勝利です。
〇今後に向けて
大エースの阿部を含め、三輪や中島などチームを支えてきた選手たちが卒業してしまいますが、もう今の明治大には小袖、手嶋、鈴木、加藤とエース区間を走れる選手がたくさんいます。そして彼らはまだまだ伸び盛りです。来季もエース格の層の厚さを武器に、上位戦線へ切り込んでいけそうです。
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