こんにちは。
今回からは「そんなに細かすぎない箱根駅伝ガイド~区間紹介編~」です。
箱根駅伝には全部で10区間あります。その各区間の特徴を全て理解してるぞ~って方はいますでしょうか。
わかるぞ!って方は素晴らしいです。まさに箱根駅伝博士!
わからないぞ~って方!あなたのためにこの記事を書いています。
この記事では、各区間の特徴をそんなに細かすぎることなく、ざっくりと紹介します。
観戦のお供として活用していただければと思います。
今回は往路編です。どうぞ!
~1区~
コース:大手町読売新聞社前⇒鶴見中継所距離:21.3km
217.1km、10時間をゆうに超える長い戦いの幕開けとなる区間です。
号砲が鳴る瞬間には、遂に始まる…!という緊張感があります。
1区は比較的短い距離で起伏も少なく、気温も低いため全10区間で最も走りやすいコースであると言えるでしょう。しかし、1区には各チームが誇る強力な選手が登場します。なぜなら、1区の出遅れは致命傷となり得るからです。1区での1分の遅れは他区間での2分の遅れと同じと言われることもあります。
そして、駅伝は流れのスポーツ、1区で出遅れると2区以降も本来の力を発揮できずに低空飛行の駅伝となってしまいます。
ここまで説明してきた1区の重要性を踏まえて、この区間に起用されることが多いのは以下のような選手です。
①スピード系のセカンドエース(例:國學院大藤木、順天堂大野口)
②日本人エース(例:拓殖大赤崎、創価大米満)
③安定感のある主力(例:青山学院大湯原、日体大池田)
④チーム№1ルーキー(例:國學院大中西大、創価大葛西)
1区は高速レースになるのか、それともスローペースになるのかわからないため、どんな選手を起用するのか見極めが難しく、スリリングな区間となっています。
1区を楽しむポイントはとにかく、自分の応援しているチームの選手が出遅れないように祈ることです。15kmまでに先頭集団から離れてしまうと結構な大差がついてしまいます。ハイペースになった時はどんどん選手が脱落していくので、本当に心臓に悪いです。スローペースになったときは六郷橋という起伏の大きな橋のあたりでスパートをかける選手が現れるので注目してみてください。
~2区~
コース:鶴見中継所→戸塚中継所
距離:23.1km
華の2区です。よっぽどの事がなければチームで最も強い選手が登場します。タフなコースで学生最高峰の戦いが見られる楽しい区間です。
コースの特徴としてはまず距離が長いこと、そして終盤に過酷な上り坂が待ち受けているということがあります。この坂を上りきるのに体力を使い果たし、ふらふらになりながら中継所にたどり着く選手もいます。
2区の見どころは2点あります。
1つ目は「ごぼう抜き」です。まだ差が無い状態でスタートすること、2区の距離が長いことから頻繁にごぼう抜きが見られます。ちなみに過去最高のごぼう抜き記録はダニエル(日大)の20人抜きです。22位から2位まで順位を上げるとんでもない走りを見せました。そして訳がわからないのは、そのときのダニエルは区間賞を取れなかったということです。
ダニエルが唯一抜けなかったモグス(山梨学院大)はそのとき区間記録を樹立する史上最高の走りを見せ、我々駅伝ファンにとっては「神」のような存在になりました。
2つ目の見どころは「相澤VS各校のエース」です。相澤(東洋大)はロードでは昨季の出雲駅伝以降、学生相手に負けなしです。今回は塩尻の日本人記録のみならず、モグスの区間記録更新も視野に入っています。
そんな相澤に伊藤(東京国際大)、土方(國學院大)、山下or田澤(駒澤大)といった歴戦の猛者たちが挑みます。
また、ヴィンセント(国士舘大)、ドゥング(日大)、レメティキ(拓殖大)、ムイル(創価大)など留学生たちの躍動も必見です。
~3区~
コース:戸塚中継所→平塚中継所
距離:21.4km
遊行寺の坂を下る以外は比較的平坦で走りやすいコースです。
ルーキーが起用されることも多いですが、2区までの勢いを持続させる区間として大胆に主力を投入していくケースもよくあります。
前回は青山学院大が故障明けのエース森田をこの区間に投入。見事に全員ぶち抜いて首位奪取する快走を見せました。
3区に起用されることが多いのは以下のような選手です。
①スピード系エース(例:青山学院大吉田圭、明治大阿部)
②チーム№1ルーキー(例:駒澤大田澤、日大樋口)
1区と起用される選手のタイプが似ており、両区間を行き来する選手もよく現れます。
3区の見どころは主に2つあります。
1つ目は「スピードスターの競演」です。3区は平地区間の中では最も走りやすくスピード感のある区間です。前回は遠藤(帝京大)が8人抜き、阿部(明治大)が5人抜きとそれぞれ素晴らしいごぼう抜きを見せました。
2つ目は「景観」です。3区は湘南海岸を左手に望みながら直進する距離が長いことで有名な区間です。海岸と防砂林と選手が並ぶ光景は壮観です。
~4区~
コース:平塚中継所→小田原中継所
距離:20.9km
起用されることの多い選手:タフ系セカンドエース
細かいアップダウンが続き、終盤には上り勾配が待ち受けているため、この区間に登場しがちなのはタフ系セカンドエースです。
平地区間の中では最も距離が短いながらタイムが出づらく、難易度の高いコースとなっています。
平地区間の中では2区と並ぶタフなコースのため、チームの中でも特に実力がある選手を置きたい区間です。
前回は相澤(東洋大)がこの区間に登場。意味がわからないくらい圧倒的な走りで往路優勝を決定づけました。
相澤は2区を基本線としていながらも、今回も4区に起用される可能性があると示唆されています。他校も重要度と警戒レベルを一層高めてきそうです。
~5区~
コース:小田原中継所→箱根 芦ノ湖
距離:20.8km
往路の最終区間にして標高差864mを駆け上がるユニーク極まりない区間です。選手の適性に負うところが大きいため他区間よりタイム差が付きやすいことに加え、以前は23.4kmと最長区間でもあったことから5区で区間賞を獲得した選手がいるチームがほぼ往路優勝を果たすという偏った状況になり、距離が短縮された経緯があります。それでもなお、2区に次いで大きな順位変動が起こりやすい重要区間であることは間違いありません。
また、一生懸命終盤まで上りに上った後、最後に下りが待ち受けていることからここで力尽きて大失速する選手や、場合によっては途中棄権となってしまう選手も現れます。そんな緊張感あふれる5区を走ることが多い選手は以下のとおりです。
① 山の経験者
→経験値と適性がモノを言う区間なので基本的には前年5区を走った選手が続投するパターンが多いです。好走を重ねるといつしか「山のスペシャリスト」と言われるようになります。青木(法政大)は過去2大会、いずれも区間上位で駆け抜けており、まさに山のスペシャリストと呼ばれています。
② 前年8区を走った選手
→8区はつなぎ区間でありながら終盤に遊行寺の坂という険しい上り坂が待ち受けていることから、5区の養成区間としての一面を持っています。8区を走った選手が1年間かけて力をつけて5区に挑むということはよくあることです。今大会は前回8区を走った選手のうち、飯田(青山学院大)や山瀬(東京国際大)が5区に挑戦するのではないかと噂されています。
③ エース
→ここにエースを置いて走力で箱根の山をねじ伏せにいくチームもあります。前回は國學院大のエース浦野が5区に挑戦。圧倒的な走りで区間賞を獲得しました。なんと彼の場合は上りに特化した練習をしていたわけではないとのこと。まだまだ伸びしろのある恐ろしい選手です。
5区の見どころは「山の神のスリル」です。数年に一度、ものすごく箱根5区に適性を持った選手が現れます。山を上り始めたらすぐに彼らが神であることがわかります。彼らは本当に軽やかに山を駆け抜けます。そういう選手がいるチームはほぼ間違いなく往路優勝を果たします。そしてスターになります。5区を走る選手にはそれだけの夢と可能性があります。ぜひ、彼らの挑戦を見届けていただきたいです。
そして今回、区間賞候補筆頭は浦野(國學院大)ですが、前々回区間賞の青木(法政大)や平地でもエース格へと成長した西田(東海大)が対抗馬となります。そして日体大のスーパールーキー藤本の存在も気になるところ。非常にハイレベルな区間賞争いになるのではないでしょうか。
そんなに細かすぎない箱根駅伝ガイド~往路~は以上になります。いかがだったでしょうか。次回は復路の各区間を紹介していきます。お楽しみに!
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コメント
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